JICA海外協力隊の世界日記

モロッコ通信〜Heartful♡SidiKacem〜

好きこそ物の上手なれ

首都・ラバトで「日本語スピーチコンテスト」がありました。

会場入り口ではモロッコの方々に「ようこそ!」と迎えられ、中に入るとこれまでのイベントで出会った方々に怒涛の再会をし、プログラムの進行や開会式の挨拶が聞き慣れた日本語で行われることにものすごい安心感を感じました。電子書籍を読んだり音楽を聴いたりとモロッコでも日頃から日本語には欠かさず触れていますが、生の日本語を浴びる機会はなかなかありません。自分が日本で生まれ育ったことを再認識できたような、初めての感情に出会いました。

今年のコンテストのテーマは「再生可能エネルギー」でした。母国語でも難しいテーマなのに(日本では高校受験の小論文審査でよく出題されるテーマというイメージ)、モロッコ人からしたらダリジャ(現地語)・フスハー(正則アラビア語)・フランス語・英語に次ぐ第5言語相当の日本語で話すなんて・・

余談ですが、通っている語学センターで使っているテキストのテーマがたまたま「再生可能エネルギー」というどんぴしゃぶりでした。「再生可能エネルギーとは何ですか?」「あなたはどの再生可能エネルギーを支持しますか?」などの設問にスラスラと答えられるような語彙力は持ち合わせておらず、口をつぐんでしまう自分と比較して、ステージで堂々とスピーチをする学生さんたちの眩しいことといったら・・・

一体どんな鍛錬を積んだらこんなことができるようになるのか、学習への意欲にクラクラしました。

コンテストの合間には、歌謡曲・和太鼓・合気道・漫才などの発表も。

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クイズ大会もありました。漢字・語彙・文法・文化の4つのカテゴリーから出題されるのですが、文化の問題では「2023年のレコード大賞は?」「進撃の巨人に出てくるこのキャラクターは誰?」「アニメ・推しの子のエンディング曲を歌っているのは?」など、純日本人の私すら分からない問題にも正解しているチームがあり、私より日本人だ・・と軽く落ち込みました。(^_^)

日本語教育の隊員さんの話では、スピーチコンテストに出場できるのは各大学やアソシエーションでの予選を勝ち抜いてきたほんの一部の学生とのことです。

日本のことが好きで、必修ではない日本語を自らの意思で勉強している学生さんがたくさんいることにも驚きましたが、彼らが将来この言語能力を生かしてモロッコと日本の架け橋を担っていく存在になるんだと思うとゾクゾクしました。

「モロッコは失業率が高い」「大学を出ても専門性を生かして働けるところが見つからない」「仕事を辞めても親元で暮らしていれば困ることもない」・・・といった話をちらほら耳にすることがありますが、日本を好きでいてくれる学生さんの未来がどうか明るいものでありますように!

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