JICA海外協力隊の世界日記

モロッコ通信〜Heartful♡SidiKacem〜

さよならシディカセム

9月から任地変更することになりました。

「任地変更した方がいいんじゃない?」「とりあえず相談だけでもしてみたら?」と周りから言われるのを、いやいやまさか私がそんな大事にはならないでしょ~任地気に入っているし嫌だよ~そんなこと言わないでよ~とのらりくらりかわしていましたが、赴任してから1年後にある中間報告会(JICA、教育局、ボランティアでの話し合いの場)にて現状と来年度の相談をしていたらいろいろとどうしようもできない事情もあり、あれよあれよと話が進んで任地変更が決まりました。

任地をすごくすごくすごく!気に入っていたので、まさか1年でこの地を離れることになるとは思ってもおらず、当事者の自分がいちばんびっくりしているし落ち込んでもいるし、事態の大きさが飲み込めず忙しない周りをぽかーーーんと傍観しているような気持ちもあります。

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街にひとりの日本人として1年を過ごして、あまりにも目立ちすぎる故にたくさんの人に顔と名前を覚えてもらって、本当に親切にしてもらいました。

ここは入って大丈夫なところかな・・とドキドキしながらお店を1軒ずつ開拓して、店員さんと顔馴染みになってくると会話も弾み、そんな関係を築けている実感にほくほくしたり、

駅のタクシー乗り場で行き先を告げなくても「こっちだよ~!」と運転手さんが私を見つけて呼んでくれたり、(家が把握されていることに苦笑いしつつも、住人として認識されていることが嬉しい)

私のヘルプが相手に伝わらなくて困惑していると、周りの人がわらわらと集まってきて話をすすめて解決してくれたり、

量り売りの買い物、光熱費や家賃の支払い、プリントの印刷、携帯のギガチャージ、電車やバスの切符購入、それぞれに携わっている人々がいて、きっと日本だったら(モロッコでも都市によっては)オンライン上やコンビニでサクッと済んでしまうことがまだまだ誰かの仕事としてあって、そこにいつもあたたかいコミュニケーションが生まれることに安心感を感じていました。

いちばん最初の世界日記にも書きましたが、とにかく人があたたかくてハートフルなところです。活動面では苦しいことも多かったけれど、生活面で救われていたので心穏やかに暮らすことができました。

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次の任地は海沿いのもっと大きな街です。

お世話になった方々に引っ越すことを伝えに行くと、「おめでとう!よかったじゃない!」「あなた日頃の行いが良かったから、良いところに行けるのよ!神様は見てるのね!」「シディカセムには何もないし、引っ越したほうがいいわ!」となぜか祝福されて困惑・・・。

みなさんシディカセムのこと嫌いすぎでは??? 私は寂しくてたまらないのに!!!

そういえば昨年首都で研修中、ほとんどの同期が大都市に派遣されることもあり、あまりにもいろんな人からシディカセムには何もないと言われ、モロッコ人にすら「シディカセムってどこにあるの?」と聞かれるレベルに不安を煽られ、任地出発前日はビビり過ぎて泣いていました。笑

もっとここでできることは無かったのかな、自分がもっともっと何か残せていたら、と考え始めるとキリがありませんが、悔しさもやるせなさも全部エネルギーに替えて、新しいところでまたゼロから頑張ります!!!

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