JICA海外協力隊の世界日記

コロンビアからの手紙

黄金郷伝説発祥の湖

コロンビアの首都ボゴタから北へバスで1時間半ほど行ったところにあるグアタビータを訪れました。

ここグアタビータは、南アメリカ大陸のアンデス地方に伝わる黄金郷伝説(エル・ドラード)の中心的な場所です。エル・ドラードとは、アンデス地方に黄金郷があるという噂で大航海時代にヨーロッパで広まったものです。残念ながら黄金でできた街は無かったようですが、当時の文明では金を発掘、精製し装飾を施す高度な技術が存在していたようです。ちなみにボゴタにある黄金博物館では、この地域から発掘された黄金の装飾品を多く見ることができ、詳しい説明を聞くことができます。そしてこのグアタビータにある湖では、この土地の首長が全身に金粉を塗り、黄金の装飾品を身につけて入水する儀式を行っていたということでこの伝説の中心的な場所になっています。

私も一攫千金を狙いグアタビータを訪れましたが、現在はコロンビア政府により金の発掘は禁止されています。標高3,100メートルに位置するこの湖の周辺には珍しい動植物を観察できるということで多くの観光客が訪れるようになりましたが、環境への負荷が大きいということで2002年には一度立ち入りが禁止され、2005年からガイド同伴での立ち入りのみ認められるようになりました。

湖の周辺一帯は政府により管理されており勝手には入れません。入り口で入場料を払い30名ほどに1人のガイドが付きます。ガイドによる動植物の説明やこの地の伝説、先住民族の生活などの話を聞きながら進んでいき、1時間ほど歩くとグアタビータ湖に到着します。

入場が制限されているだけあって景観はとても綺麗です。が、そこまで大きな湖ではなく特別に素晴らしい湖ということではないので、もし行くならばこの湖について少し学んでからきた方が良さそうです。今回はあいにくの雨でしたが、天気が良ければハイキングコースとしてとても良いと感じました。

グアタビータ自体はとても小さな街で主な観光スポットは湖くらいですが、街の中心部はカテドラルを中心に昔ながらの街並みを残しておりとても綺麗でした。写真のような昔の闘牛場も残っています。また昼ごはんに食べた牛肉はとても柔らかく美味しかったです。

首都ボゴタは人口1,000万人ほどが住む巨大都市ですが、バスで郊外や近隣の町へ行くと手付かずの自然や歴史遺産が多く残っています。コロンビアは日本と比較すると歴史は浅いですが、それでも先住民の文明様式やスペイン統治時代の遺跡など様々な歴史を感じられるスポットが多くあります。その国のことを知るには歴史を知ることが不可欠だということを、この1年3ヶ月のコロンビアでの生活で強く感じています。まだまだ知らないことが多いですが、これからも歴史に限らず多くのことを学んでいきたいと思います。

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