JICA海外協力隊の世界日記

コロンビアからの手紙

紛争の歴史を忘れない為の文化施設

ボゴタにある文化施設(El Centro de Memoria, Paz y Reconciliación)に行ってきました。

ここは、コロンビアの武力紛争の歴史を目に見える形で展示することで記憶の風化を防ぎ、平和構築への機運を高めていくことを目的に作られた施設です。様々な展示物や紛争の歴史の説明が常設されており、また週末には市民団体がイベントやワークショップを行っています。スペイン語のみの案内ですが入場料は無料です。

壁一面に歴史的なイベントの新聞記事が時系列で貼られていたり、地域ごとに発生した紛争の説明などもありました。過去の紛争地域の映像、ニュース映像なども見ることができます。来訪者が付箋に平和への願いを記入し貼るスペースがありましたが、たくさんの方がその思いを記入していました。またコロンビアには多くの先住民族が暮らしいますが、長い内戦の間に暴力にさらされ土地を追われている現状があります。その現状についての展示も興味深かったです。

50年にわたる内戦で20万人以上が犠牲になったコロンビアですが、2016年に反政府ゲリラのファルクと和平合意が結ばれ多くの地域で治安は良くなっています。しかし一方で、ファルクが影響力を持っていた地域では麻薬の利権などを巡って武装勢力同士の抗争が発生しており、現在も強制移動を余儀なくされる状態が続いているようで、UNHCRの調べでは2018年3月の時点で767万人の国内避難民が存在するということです。全てが解決するには相当な年月が必要かもしれませんが、このような歴史を風化させない施設が無料で開放されていることはとても良いことだと思いました。

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