2024/11/15 Fri
活動
農家訪問ー鳥との戦いー
こんにちは!最近、近隣の稲作農家を訪ねる活動を始めました。
1年目は研究所で色々なことを学びましたが実際に農家さんに会う機会があまりなく、2年目に入り周辺地域と稲作に詳しいナショナルスタッフの案内のもと農家訪問をしています。
訪問を始めてから、身近に稲作をしている農家さんが多いことを知り、バイクがないことなどを理由に「勝手に農家訪問ということのハードルを上げてしまっていたなぁ」、「もっと早く始めてもよかったなぁ」、と若干の後悔をしつつ、ウガンダの稲作のことを少しでも知っていけたらと思っています!
そして、今回はウガンダの農家さんが行っている鳥害対策についてお話ししようと思うのですが、その理由として、「今困っていること」への質問に対して、「鳥!」という答えがを聞くことが多かったからです。
「米」は穂を実らせたあと、ミルクのような柔らかい状態(乳熟期)を経て段々と固くなり、米粒になるのですが鳥がその柔らかい時期を狙って食べてしまうのです。
上の写真が鳥が籾の中の柔らかい米を食べたあと。食べられた籾はもちろんお米になることはありません。鳥による被害は甚大で、鳥害が理由の一つとなって稲作を辞める農家もいますし、収穫する手間が惜しくなるほどの被害になり、ここまでせっかく育てた作物なのに収量がぐんと減ってしまうこともあります。
日本で稲作をした時には気にならなかった鳥害。日本とウガンダ、何が違うのかというと、、、
日本では、田んぼが一面に広がるような場所で稲作を行っているのに対して、ウガンダではまだまだ小規模で稲作を行っている人も多く、鳥が拡散されず、小さな面積にある稲を集中的に食べにきてしまうこと。
また、日本では同時期に田植えをするので鳥が好きな乳熟期の米がどこの田んぼも同じ時期のため、これまた鳥が拡散されますが、いつでも撒いて収穫ができるウガンダでは常にどこかに乳熟期の稲があり、鳥にとっては1年中食べ放題!という環境だからです。
元々鳥が多いということもあると思いますし、農地の周りには木も多く、巣の真下に稲がある、、、ということも。
「米を植える時期を近隣農家で合わせればいいじゃないか!」とも思いましたが、そんな簡単に作付け時期を合わせられるものではありません。
ここまで長くなってしまいましたが、そんな状況の農家さん達がどう鳥たちから米を守っているのか!
色々な工夫を見つけたので紹介させてください!
一般的に農家さんは1ヶ月ほど「鳥追い」をします。日が登ってから落ちるまで鳥が来るのを待ち、追い払い続けるというものです。もちろんみんな他の作物を育てていたり、他にもやることもあるのでずっと圃場に張り付く訳にもいかず、人を雇ったりもますが、その人がきちんと仕事をしていないこともあったり、鳥から米を守ることは簡単ではありません。
活動先の研究所では鳥追いを雇うか、日本から持ってきた鳥避けネットを使っています。
これが鳥を追い払う方法として一番よく見かける方法です。
ロープに石の入ったペットボトルをぶら下げ、農地に設置をし、ロープを揺らすことで音が鳴り、鳥が逃げていきます。これも10年ほど前には見かけなかった方法だそうですが、最近では色々な場所で見かけることができます。
他にもカカシであったり、木にビニール袋をつけたりと、「やらないよりはいいだろう!」といった工夫がされている場面をよく見かけます。
そしてそれのパワーアップ版として
竹や木で作った柱?に上り、先ほど紹介したペットボトルのついたロープをここから操り、比較的楽に1人で鳥を追い払うということができます。すごい!
ペットボトル関連だと、ウガンダで稲作栽培に関わっているコミュニティ開隊員がこのようなものを作っていました。
ペットボトルで簡単に作ることができ、風がふくとカタカタと音がなりながら回るため鳥避けの効果があり、農家さんからも好評だったそうです。
他には鳥のいる場所あたりに何かを投げることで追い払うことができるため、パチンコを使ったり、石や泥団子を投げたり、、、していますが
農家さんは様々なアイデアを持っていました。
程よくしなる枝に土団子をくっつけて鳥のいる場所に向けて投げると、小さな力で、普通に投げるよりも何倍も遠くまで投げることができます。
他には、、
木にトタンを吊り下げ、土などをぶつけることで大きな音を出し、鳥を追い払う方法です。最初は鳥よりも私の方が驚いていた程でした。工夫脱帽!
私が見てきた鳥追いの方法は以上になりますが、他の地域、国ではもっと色々な方法があるのではないかと思います!
この問題が解決できればかなり負担が減るため、何か良い方法を探していく必要がまだまだあります。
本当にそれが効果的なのかは証明はされていませんが、止め葉が長く籾が葉で隠れ、鳥から籾が見えにくい品種を使っていたり、経験から色々な工夫を行っている農家さんには驚かされることが本当に多いです。
今後も農家さんを訪問して、気がついたことを発信していきたいと思っています。
読んでくださりありがとうございました!
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