JICA海外協力隊の世界日記

La Vida Rica

コミュニティの小学校で環境教育

ホンジュラスの行政区分は、県、市からなっていて、市の中では市中心部から離れた地域に、Aldea(アルデア)という日本でいう集落、カタカナでいうとコミュニティがいくつか存在しています。

各集落には小学校、少し大きい集落には、さらに中学校や保健所があるところもあります。

私の任地のグイノペ市には11のアルデアがあり、各アルデアの小学校では、1年生から6年生までが同じ教室で勉強しているところが多いです。アルデアの人口にも寄りますが、一クラスは30人前後の子どもがいます。

2月に入り、新学期が始まりました。この日は、市中心部から車で15分位のところにあるLavanderos(ラバンデーロス)というアルデアの小学校で、環境教育の啓発活動をしました。

テーマは、ごみのポイ捨てについて。多くの途上国では、昔のおやつはバナナなど自然にとれるものが主流で、食べた後の皮や種はその辺に捨てていましたが、自然に還るので問題ではありませんでした。

現在は、こちらでChurro(チュロ)と呼ばれる、1袋25円位のプラスチック製の袋に入ったスナック菓子が主流です。食べた後にごみをその辺に捨てる習慣は昔のままなので、大人も注意しません。

そこで、環境教育隊員の啓発活動の代表例として「ごみは何年で消えるか(≒自然に還るか)?」というワークがあります。色々なタイプのごみの写真や絵を見て、何年くらいで消えるかを子ども達が考えます。

この日は、ワークの後に、実際にバナナの皮とビニール袋を学校の裏庭に埋めて、次回の啓発活動のときに掘り返してみることにしました。子ども達は率先して土を掘ってくれました。

アルデアの小学校での啓発活動は初めてで、全学年が一緒に学習しますので、高学年と低学年の子どもがグループを作ってクラスを進めました。

余談ですが、おそらくほとんどのホンジュラスの小学生は、「グループを作る」ということがスムーズに出来ません。

日本の学校では「誕生月でグループに分かれましょう」というと、子ども同士で話し合って自然と12グループが出来ると思いますが、こちらでは先生が「〇月の人、手を挙げて、じゃあここに来て~」とそれぞれ声をかけて指示を出さないとグループが出来ません。たまに自分が該当しないグループに手をあげる子どももいて混乱をきたすこともあります。

グループづくりに時間がかかりますが、「自分たちで考える」練習の一歩として、出来るだけ含めるようにしています。

LavanderosにはJICAの森林保全のプロジェクトの支援でゴミ箱が設置されています。

ごみはゴミ箱に捨てる、日本では当然のことですが、こちらではごみが発生したその瞬間にその場に捨てる人の方が多いです。長い期間に蓄積された行動習慣を変えるのは難しいことですが、ゴミ箱にごみを捨てることをゲームみたいに楽しんで習慣づけしてもらうような啓発をしていきたいと思います。

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