JICA海外協力隊の世界日記

セルビア便り

National Team始動!!

今回の世界日記では現在のセルビア剣道のNational Team について話していきたいと思います。

このNational Team では3年に1回行われる世界大会や3年に2回(世界大会が行われる年はなし)のヨーロッパ大会に向けて稽古に励んでいます。

昨年はイタリアで世界大会が開催され(過去の世界日記参照https://world-diary.jica.go.jp/JICA_Balkan/cat2589/wkc_in_milano.php)セルビアチームはあと一歩届かないという結果で終わってしましました。

今年は5月末にオランダでのヨーロッパ大会が控えているので、そのためにもしっかり稽古を積んでいくことが重要になっていきます。

現在のチーム状況や私が挑戦したいこと、また難しいなと感じることを書いていきます。

National Teamの稽古会は今年の1月末からスタートし、おおよそ1月に2回のペースで行っています。セルビアの道場は、全部で15クラブほどありセルビア国内にあります。大半の道場は、首都のベオグラード、第二の都市のノビサドにありますがニシュ、クラグイェバッツといいった大きな都市にも、点在しています。

このことから、月に一回はベオグラードでおこないもう一方は地方でおこなうことが通例となっています。

主な稽古内容は、足捌き、素振りをおこない基本的な体力と基礎能力の向上を集中的におこなっています。また4月、5月には追い込む稽古から技術を向上させる稽古へとシフトしていく予定です。

*素振りをしている状況写真

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現在のセルビアナショナルチームのメンバーは非常に若いチームとなっています。特徴としては、速さがあるといったところです。しかし、剣道で大切な竹刀を使っての会話や相手を使って打つ、機会の創出や技を繋げるといった技術がまだまだ見えないといった感じです。

おそらくなんですが、ヨーロッパの人々って14歳を越してくると一気に身体が成長して大人と変わらない身体的特徴になってしまいます。そうなってくると成長した者とまだ発達途中の子が試合をすると速さだけで勝負が決まっちゃうことが多くなります。

この要因から、試合が単純化していき、攻めも戦略もない打った打たれたの試合展開をしてしまいがちになってしまいます。

今後、彼らたちには”自分がなぜ打てたのか?””なぜ打たれたのか?””どういった戦略で試合をしていたのか?””相手の強い点、弱い点はどこか?”など、もっと高度な考えを持って試合ができるようにサポートしていきたいと思っています。

ただこういう時って、”日本語を使えたらな〜”って思うことが多々あります。

写真は稽古後にアドバイスをもらいにきた生徒の1人です。

セルビア選手は非常に真面目で一生懸命稽古に取り組んでいます。この性格はセルビア人が”元々持っているもの”なのか”剣道が与えたもの”なのかはまだわかりません。

しかし、剣道に対する熱意や礼儀作法は、日本人から見てもすごいなと感じることが多々あります。(時々竹刀を蹴り飛ばす子もいますがww)

日本では、例えば剣道をして良い成績が得られれば、”良い大学に行ける””良い就職先がある”といったメリットがあると思います。しかし、セルビアにはもちろんありません。

そういった中で、”なんで剣道をやっているのか?””剣道をしていてメリットはあるのか?”という意見を持つ子供達もいます。

技術の向上に取り組んでいくのはもちろんですが、指導者として、そういった子供達にも剣道の魅力を伝えていけるような活動をしていきたいと思います。

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