2025/02/24 Mon
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旅ラン・Kazungla Bridge Marathon


Dumela! (こんにちは!)コンピュータ技術隊員の加地です。
私の趣味の一つはマラソンなのですが、その話をすると、「よく走れるね」と言われることも多いです。私にとってマラソンの魅力は、普段は走れない街中や高速道路など変わったところを走って景色が楽しめることと、大勢の人と一緒に走るので、走る気力が持続することはもちろん、いろいろな人を見れたり交流できることです。
日本にいる時から、旅ランと称し、知人を訪ねて地方のマラソン大会に行ったりしていましたが、今回はボツワナに赴任することが決まったらすぐに見つけ、楽しみにしていた Kazungura Bridge Marathonに参加したのでレポートしたいと思います。
カズングラ
カズングラはボツワナを代表する観光地の一つ、カサネに近い、世界でも珍しい4カ国の国境が集まるところです。ザンビアとボツワナの国境を流れるザンベジ川にかかる橋がKazungula Bridgeで、この橋に通じる道路の建設には日本のODAも使われていて、OSBP(ワンストップ・ボーダーポスト)の建設やオペレーション研修などでもJICAが関わっています。
カズングラまでの旅は、住んでいるフランシスタウンからバスで6時間強、朝7:30に中型の長距離バスに乗って出発しました。カズングラでバスを降り、スーパーで朝食など買い物をしてからホテルにチェックイン、夕方にはマラソンに参加する他のJICAボランティアメンバーと、レストランで食事を楽しみました。
レースの様子
首都やそれぞれの任地からも多数の隊員が参加しました。
当日の朝は、早く起きて5:30頃にホテルを出発、ウォーミングアップを兼ねて歩いて会場まで行きました。
フルとハーフは同時にゲートからスタート、ショッピングモール近辺を1周まわってブリッジに向かいます。10kmと5kmは別のスタートゲートに移動し、フルとハーフが通過してからのスタートで、ハーフに出た私を含むメンバーは、他のメンバーからの声援を受けて走ることができました。
ブリッジに向かって緩やかに上りが続きますが、いよいよ橋が見えてくると、一気に気持ちも上がってきます。ボツワナ側から橋に向かって右手から線路も合流し、中央分離帯にあたるところを線路がはしり、道路と線路がいっしょに橋を渡っていきます。一番外側には歩道もあり、歩いて国境を渡ることができます!
早朝6:10のスタートからは、ほどほどに晴れ、走りやすい中をザンビア側に渡り、折り返して再び橋を渡りました。10kmや5kmのランラーたちも楽しそうに走ったり歩いたりしてすれ違いながらエールを送ったり写真を撮ったりしていました。私もときどき写真を撮りながらも、目標とした「歩かずに完走!」を達成できました。
走り終わった後はそれぞれホテルに戻り、シャワーを浴びて小休憩した後、午後のボートクルーズを前にカフェでランチを楽しみました。
メニューにはマラソンスペシャルでリカバリージュースが用意され、興味津々オーダーしました。このようなイベントは、地域の活性化にも多いに貢献しますね。
人々との出会い
イベントという機会は、同じ任国で活動するボランティアとの交流はもちろんのこと、様々な職業なり、生活をしている人が、国境をも超えて集まり挨拶をしたり、励まし合ってゴールを目指したりする中で、感じたり与えたりして新たな気づきがあったりするのも醍醐味です。
行きのバスの中では、みんなランナーに見えたりするのですが(笑)、隣に座った方に聞いてみるとイエスとハンドサインで返してくれました。フランシスタウンを出発してカサネに向かう車中、象が見えたと手で象の鼻を表現しながら知らせてくれました。またカズングラで降りる時も、ゼッケンはこの先を左に進んだところで受け取るということをハンドサインで伝えてくれました。お礼と、明日また会いましょうと返してバスを後にしました。
この方がゴールした後に私を見つけて声をかけてくれ、とても嬉しかったです。一緒にいたランナーは補聴器を付けていて、彼自身は発声障害をお持ちのようでした。思えば去年のフランシスタウンマラソンでも、履いていたシューズを指してどこで買ったのかと尋ねられたことがありました。
二度あることは三度ある。一つでも二つでも手話を覚えておこう。そして自信を持って話そうと思いました。
反対側に座っていた、キリンを見つけて知らせてくれた人もゴール後に声をかけてくれました。こちらからはなかなか覚えられないけれども、向こうからは見つけやすかったんだと思います。これもとても嬉しかったです。
帰りの車中では、ドライバーさんが10kmに参加されていたそうで話が少し盛り上がりました。JICAのボランティアだと言うと、青いJICATシャツのランナーをたくさん見たと話してくれました。PR効果は大いにあったようです(笑)。OSBPの事業についてもご存じでした。
旅のついでに
どちらが主なのか微妙ですが、このマラソン大会に参加したおかげで、初めて観光地であるカサネを訪れることができました。また、期せずして新隊員がこの地に配属され、いろいろ参加の準備などで助けていただきました。
走った日の午後はボートクルーズ、翌日は、JICAが技術協力で支援したエコツーリズムのツアー(→PDF)に参加しました。
中心部からチョベ国立公園の中をまっすぐ西へ抜け、Mabele Villegeに向かいました。国立公園内では象やキリン、アンテロープなどが見えました。
到着したVillege では、伝統ダンスや楽器の演奏を体験し、工房ではバスケットの制作について説明を受けたり編む体験をさせてもらったりしました。
製造直販で首都の土産物やさんより安く購入できるとあって、私も一つお皿を買い求めました。ランチを食べながら、さまざまな収益改善のアイデアなども聞かせていただきました。
周囲には象が踏み入らないように突き立った石が囲んでいました。
途中、最近帰国したデザイン隊員が手がけたサインボードやモニュメントの現物をみることができました。(→JICA Botswana FBページの紹介記事)他の隊員の任地や活動をみるのも、いい刺激を受けるので定期的に行きたくなります。
たくさんの土産話をもって、活動先に戻りました。
次はどこへ行こうかな。
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