2025/01/21 Tue
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#12_ナミビア人に日本食販売した結果..........
ナミビアのカリビブという町で中高生に主に数学を教えている渡辺です。
自身の配属先は、日本の中学2年生~高校2年生が通う中高校で、ナミビアの中高校には学習すべき科目の中にEntrepreneurship(起業)というものがあります。そこでは、生徒は簡単な経済の仕組みや起業時に必要な知識等を学びます。また、この科目のカリキュラムに「授業で学んだことを実践する」という項目があり、本校では生徒たちがクラス毎に一日かけて実習する日を設けています。この日をEntrepreneurship Dayと言います。ただ実習といっても高校の文化祭のようなもので、9割のクラスが食品販売(ハンバーガーや焼いたお肉、デザート)を、1割がボードゲームや映画の上映等を行います。
2023年は全く運営に携われず、ただ自分もせっかくだから何か配属先の先生や生徒に日本文化に触れてもらえる機会を設けたいと思い至り、2024年のイベント開催に向けた1年におよぶ企画がスタートしました。もう、それはそれは考えることが多すぎたため、特に当日までの1か月間は赴任して最も多忙な日々を送りました。また、当日に運営としてメインで携わることになるのが写真の”日本語クラス”の生徒たちです。実は自分は通常の数学やICの授業に加えて、放課後に有志の生徒対象に日本語クラスを週に数回開いています。写真の生徒はそのクラスのレギュラーメンバーの一部です。
2024年のイベント当日は、話し合いの結果、日本食販売と別の企画(後日紹介)をやろうと決まったため、当日は浴衣で接客してもらいました。また、僕の指示で何でもやるというよりは、中高生なので自分たちで運営していって、上手くいかなかったことも含めて経験してもらうということに決めました。
#09_「カナガワビエンナーレ国際児童画展」応募にも記載の通り、ナミビアの人はカラフル好きな人が多いため、日本の浴衣の柄は生徒に好評でした。
上の写真が複数回におよぶ話し合いと試食会の後、決まった当日の日本食(?)のメニューで、
1.おにぎり(1個 50円ほど)
2.ゼリー(1人分 20円ほど、フレーバーは4種類)
3.小倉トースト(1枚で80円ほど)
です。このチラシはデザインが得意なJICAボランティアに作成を協力してもらいました。店名は「GOHANYA(ごはんや)」。意味は文字通りです。
この日を迎えるまでには、紆余曲折ありました。特に苦労したことが生徒がこういったことの経験不足故、不慣れだったことと、また資金調達です。例えば、試食会では本番を想定して、時間を測っておにぎりを一緒に作ったところ、1個作る度に音楽をかけてはすぐに踊り出してしまうため、全員で10個作るのに2時間近くかかっていました。それをサポートなしで1からできるようになるまで何度も何度も繰り返し練習しました(下の写真)。結果、当日の朝は自分がいないうちに既に作業を始め、おにぎりを200個近くという必要数の5倍の数を作っており、少年漫画の主人公のような目まぐるしい成長を見せてくれたことには目を見張りました。
また、資金もこれまではすべての生徒から一律の金額を徴収していたため、家庭の経済状況が苦しく、文房具を買う余裕がない生徒も他の生徒と同一金額を支払っていました。しかし、これを避けるべく僕たちは株式の運用と同じシステムにし、自身で出資する金額を決めることができる代わりに、元金を保証した後に、利益分から20%(これは学校への寄付)を差し引いた額を自身の出資割合に応じて分配金として受け取れるようにしました。これは、各々が経済状況を勘案して金額を決定できるほか、イベント後に自身の分配金の計算練習ができると考えたからです。ただし、そこまで行くためには当然ですが利益をあげなければいけません。
また、自分自身もイベント前日にあんこを作るため、知人に教えていただいた通りにあくを取りながら小豆を8時間煮るという、今までに費やしたことのない時間を料理に費やしました。もちろん初めての経験です。おそらくあんこ作りは人生でこれが最初で最後になるでしょう。そして、和菓子をいただく際は今まで以上に感謝の念を忘れないでしょう。
さて、これまでにない果てしない努力を積んだ結果の当日の売れ行きの様子ですが、その成果が十分に発揮されて
おにぎり・・・200個中180個近く
ゼリー・・・150人分中100人分
パン・・・180枚中160枚近く
と在庫が余りに余ってしまい、最後は日本語クラスの生徒たちが嫌そうな顔をしながら分け合っていました。
ごめんよ<m(__)m>
自分の作り方も悪かったと思いますが、一番の原因はナミビアの生徒にあまり馴染まない物で利益を出そうとした見積りの甘さです。もし本当に利益を狙うなら、もっと緻密な市場調査が必要でした。「商品を体験してもらう」ことと「商品の人気が出る」ことは別物であると自身の勉強になりました。二度と料理イベントはやらないと誓いますが。
同僚の先生方を我が家に招いて行ったホームパーティー(ナミビア通信 Vol.12) 以降、2回目の料理イベントを行って、売れ行きは上のような結果になってしまいましたが、とにもかくにも自分が様々なことを学べました。また、生徒たちに上手くいかなかったことも含めて、JICAボランティアがいたからこそできた体験をつんでもらえたことはよかったです。あまりに大ゴケしたので、ここでだけ自画自賛させていただきます。
このイベントの準備までの詳細や当日の様子は、ナミビア通信 Vol.24にも載せますのでよろしかったらご覧ください♪
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