2026/10/02 Fri
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子どもたちが描く、パプアニューギニアの文化 ― West Goroka Primary School デザインアートコンテスト ―

こんにちは。パプアニューギニアのゴロカで、コンピュータ技術隊員として活動している小山です。
J.K. McCarthy Museum, Goroka(以下、ゴロカ博物館)に配属され、文化財保全や博物館資料の情報整理、デジタル保存などに取り組んでいます。
以前の世界日記で、West Goroka Primary Schoolを訪問し、学校とゴロカ博物館の協力プロジェクトについて相談したことを紹介しました(West Goroka Primary Schoolで見つけた、隊員の活動と協働のヒント | パプアニューギニア便り(パプアニューギニア事務所) | JICA海外協力隊の世界日記)。学校と博物館をつなぎ、子どもたちが地域の文化や歴史について考え、自由に表現できる機会をつくれないか、その時に話し合っていたアイデアの一つがデザインアートコンテストです。
青少年活動隊員の満尾隊員に、学校関係者との連絡・調整や打ち合わせなどのご協力をいただき、約4か月間の準備を経て、デザインアートコンテストを実現することができました。

今回のデザインアートコンテストのテーマは、「My Culture and Traditional Heritage(私の文化と伝統遺産)」とし、子どもたちには、自分たちが大切だと思う文化や伝統、地域の風景などを、絵を通して自由に表現してもらうことにしました。
実施にあたっては、学校関係者とゴロカ博物館で相談を重ねながら、コンテストの進め方や作品の選考・評価方法について確認しました。
(選考・評価の様子)
応募された作品には、伝統的な衣装や装飾、自然、建物、動植物など、子どもたちそれぞれの視点から見たパプアニューギニアの文化が描かれていました。
同じ「文化」というテーマでも、何を選び、どのような色や形で表現するかは一人ひとり異なります。作品を見ながら、文化は大人から子どもへ一方的に「教える」だけのものではなく、子どもたち自身が考え、自分なりの方法で表現することも大切なのだと感じました。
選考後には、West Goroka Primary Schoolで表彰が行われました。受賞した児童たちは、ゴロカ博物館と学校が共同で準備した表彰状を受け取りました。子どもたちが表彰される姿を見ると、学校との最初の話し合いから始まった活動が、一つの形になったことを実感しました。

そして今回のプロジェクトは、学校の中だけで終わりではありません。
児童たちの作品をゴロカ博物館に展示し、博物館を訪れる地域の方々や観光客にも見てもらえるようにしました。展示作業は博物館スタッフと一緒に行い、壁には子どもたちが描いた色鮮やかな作品が並びました。

普段の博物館では、地域に受け継がれてきた文化財や歴史資料を保存・展示しています。その中に、現在を生きる子どもたちが描いた「自分たちの文化」が加わることで、いつもとは少し違った展示空間になりました。
今回のコンテストは、私たちにとっても初めての試みです。また、博物館の了承のもと、今後の子どもたちのアート活動を支えるための募金箱も設置しました。寄せられた支援は、博物館で管理し、今後のデザインアートコンテストで使用する絵具やブラシなどの画材や、活動運営に必要な経費として活用する予定です。
今回の活動を通じて改めて感じたのは、博物館の役割は、過去の文化財を保存することだけではないということです。学校や地域と協力し、子どもたちが自分たちの文化について考え、表現し、その作品を地域の人々に見てもらう機会をつくることも、文化を次の世代につないでいく一つの方法だと思います。
最初は学校関係者との小さな話し合いから始まった今回のプロジェクト。そこから子どもたちが絵を描き、学校で表彰され、そして作品が博物館に展示されるところまで進めることができました。今後も学校や地域の方々と相談しながら、子どもたちが地域の文化を知り、自分自身の視点で表現できる機会を少しずつ増やしていきたいと思います。
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