JICA海外協力隊の世界日記

フィリピン便り

「与える以上に、受け取っていた」-フィリピンで見つけたボランティアの原点

こんにちは!フィリピン・セブ島で活動中のJOCV(JICA海外協力隊)Kanechiです。
私は現在、セブ島の小学校に併設された特別支援センターに派遣され、
障害のある子どもたちの自立を支援する活動をしています。
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先日、9月30日にセブ市内のロビンソン・ガレリアで開催された

「Volunteerism Exhibit 2025」

というボランティアイベントに参加しました。

会場にはNGOやさまざまなボランティア団体のブースが並び、

それぞれの活動紹介を見て回るだけでもとても楽しい時間でした。

↑リサイクル素材を活用したバッグと、プラスチックボトルからできたランプ

地元大学生たちのコーラス(めちゃくちゃ上手だった)↓

午後3時からは、フランス、韓国、フィリピンのボランティアとともにパネルディスカッションに登壇。
それぞれの任地での経験や、ボランティアを始めたきっかけについて語り合いました。

私がなぜボランティアをするのか——

その原動力は、大学1年生の夏、19歳のときに初めてフィリピンを訪れた経験にさかのぼります。
当時の私は、「ボランティアとは貧しい人々に何かを与えること」だと思っていました。

でも、実際にフィリピンで活動してみて、その考えが大きく変わりました。
むしろ「自分が与える以上に、受け取っている」と感じたのです。

若さと元気だけが取り柄の、どこにでもいる普通の大学生だった私。
教会で炊き出しをしたり、海辺の地域でゴミのリサイクル方法を伝えたりしましたが、
現場に貢献できていたかというと、正直自信はありません。

ファシリテーションスキルも経験もなく
「何かやってみたい!」という気持ちだけで動いていたように思います。
それでも、子どもたちや地域の方々がとても喜んでくれたことを覚えています。
その笑顔に、心が温かくなり、嬉しさが込み上げてきました。

フィリピンの人々は、外国人の私たちにもオープンで、優しくて、フレンドリーで、ちょっと適当で(笑)。
そのおおらかさに、私は救われた気持ちになりました。

あの経験があったからこそ、10年以上経った今、私は再びフィリピンに戻ってきたのだと思います。
そして今も、たくさんの人に支えられていることを日々感じています。
・いつも美味しいご飯をシェアしてくれる大家さん
・授業の相談に乗ってくれるCP(カウンターパート)
・明るくて面白い同僚たち
・よく海や旅行に誘ってくれる1学年の友達
・会えば果物をくれるサリサリストアのクヤ・ジュ―
・フィエスタやクリスマスパーティーに招待してくれる校長先生

私は活動を通して貢献している以上に、周囲から気にかけてもらい、助けられていると感じます。
パネルディスカッションで、フランス人ボランティアが言った

「Discover yourself.」 

という言葉が心に残っています。

ボランティア活動は、自分が本当にやりたいこと、心が喜ぶことを見つけていく旅なのかもしれません。

お金のためではなく、それ以外の価値を探す——そんな時間を過ごしているのだと思います。

だからこそ私は、残りの活動期間も、現地の人たちが喜んでくれることを精一杯やっていきたい。

そして、少しでも「未来の種」をまいていけたらと思っています。

【 Kanechi/障害児・者支援 】

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