JICA海外協力隊の世界日記

フィリピン便り

【何もなくて豊かな島】10年ぶりに訪れたカオハガン島で気づいた"ボランティアの原点"

フィリピン栄養士隊員のうっちーです。
ボホール島ロアイ町にある地域保健事務所で子どもの栄養改善を行います。
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★カオハガン島ってどんなところ?

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先日、セブ・ラプラプ市沖にある「カオハガン島」へ行ってきました。
マクタン島から小さなボートで約30分。
エメラルドグリーンの海を渡ると、そこに見えてくるのは…
時間がゆっくり流れる、南の小さな楽園です。
この島は、約35年前に日本人の崎山さんが購入し、
現地の人々と一緒に“自然と共に生きる暮らし”を続けてきた場所。
いまでも「何もなくて豊かな島」として、多くの人の心を惹きつけています
(参考書籍:何もなくて豊かな島 南海の小島カオハガンに暮らす/崎山克彦) 

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★ 10年前、学生だった私とカオハガン島

実は私、学生時代にこの島で教育支援のボランティアをしていました。
そのとき、思うようにできなかったのが「栄養教育」。
でもその悔しさがきっかけで、
「もっと学びたい」「またフィリピンで活動したい」と思い、
今こうしてJICA海外協力隊(栄養士)として戻ってきたのです。
半分の任期を終えた今、
原点をもう一度見つめ直したくて、10年ぶりの再訪を決意しました。

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★10年ぶりの再会で感じた“つながり”

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島に降り立つと、懐かしい顔がたくさん!
かつてホームステイした家族、ソーラン節を一緒に踊った子どもたち…
みんなが私を覚えていてくれました。
「毎年、日本から来るボランティアの学生が大好きだったよ」
そう言ってくれた一言に、胸がじーん。

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★変わったこと、変わらないこと

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2021年の台風オデット、そしてコロナ禍を経て、
カオハガン島も少しずつ変わっていました。
ペソWi-Fi付きのサリサリストアができたり、
大学へ進学する子どもが増えたり。
マクタンやセブへ通う若者も増えて、
島全体が少しずつ発展しているのを感じます。

でもね、変わらないものもありました。
それは、人のあたたかさ。
小さな子どもが笑顔で「What’s your name?」と声をかけてくれて、
次に会ったときにちゃんと名前を覚えていてくれるんです。
その無邪気な優しさに、心がぽかぽかしました。

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★短い滞在で見えた“大切なこと”

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正直、1泊2日じゃ足りなかった…。
でもこの短い時間で、私は大切なことを思い出しました。
「今すぐ成果は見えなくても、
10年後、誰かの記憶に残っているかもしれない。」
そう思えた瞬間、ボランティアを続ける意味が
すっと自分の中に戻ってきました。

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★ カオハガン島に行ってみたい方へ

現在は、2人の日本人女性が島の運営をされています。
アイランドホッピングのツアーでも訪問可能ですが、
ゆっくり滞在したい方は「カオハガンハウス」の公式HPから
宿泊予約ができます(日本語対応)
海と風、そして人の優しさに包まれる時間を、
ぜひ一度体験してみてください。

最後に

カオハガン島は、何もなくて、でも本当に豊かな島。
10年前と同じように、
「またここに帰ってきたい」と思える場所でした。

Mobalik gyud ko.(モバリック ギュッ コ)
セブアノ語で「また絶対に戻ってきます。」

【 うっちー/栄養士 】

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