JICA海外協力隊の世界日記

KAI DIAK!~どっちから読んでも甲斐元気~

現地業務費

bondia!diak ka lae?

先日、私の配属先でJICA関係者を招待しての式典が行われました。
JICA在外事務所が行うボランティア事業に対する活動支援業務の1つ「現地業務費」を使って購入したサッカー用具の贈呈式です。

・現地業務費とは
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現地での活動経費は配属機関が負担することが原則ですが、開発途上国ではその経費を負担できないケースがあります。その際、配属機関に代わり JICA が、隊員の活動経費を支援する場合があります。
(略)
現地業務費は、隊員の申請に基づき、JICA が必要性と妥当性を検証した上で予算の範囲内で承認します。
(JICA 海外協力隊ハンドブック 長期派遣より)
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日本のサッカー現場と様々な環境が異なる中で「配属先の選手たちのために」ということを常に考えて活動しています。

私は活動計画・目標の1つを
 ・選手がより成長するために、選手自身だけでは解決できない要因が解決される
と設定しました。

私の配属先の選手の多くは「サッカーが上手くなりたい・プロになりたい」という夢・目標を持っています。
しかし選手自身ではどうすることもできない外的要因がたくさんあります。

その1つがサッカー用具の不足です。

私が日本で携わってきたサッカー現場では、選手1人につきボール1個・ビブス2色が使えるような環境が多かったです。

現在、私の配属先は8〜16歳程度の選手が約350名所属しています。
毎回の練習に全員が来る訳ではありませんが、ボールやマーカー/コーンは各50個程、ビブスは5セット程度しかない等、サッカー用具が選手数に比べ圧倒的に少ないです。

・ボールが少ない
ボールを触れる時間が少ないからサッカー技術が身につかない。
待ち時間が長くなりダラダラする/体力がつかない。

・マーカー/コーンが少ない
1つの練習が終わらないと次の練習の準備ができない。
練習が簡単な内容のものに限られる。

・ビブスが少ない
片方のチームは上半身裸になることがある。
サッカーの公式な試合で上半身裸になることは警告(反則)である。
またケガのリスクが上がる。
女子選手を裸にはさせられないため、ビブスが無いと視認性が困難。

          ↑ビブスが足りないため上半身裸でミニゲームをする選手たち

サッカー用具が不足していると、選手の夢・目標の達成が阻害されてしまうと考えました。
そのため配属先に何度か相談しましたが「予算に余裕がない」とのことで自助努力ではどうしようもできそうにありませんでした。

そんな中でもどうにかこうにかやりくりして、アイデアを使って活動をしてきました。
・マーカー/コーンの代わりにペットボトルを使う
・ビブスが無いから服を裏返しにさせ少しでも視認性を向上させる

しかしさすがに限界を感じたこと、そして今後の活動の効率・効果を考えて、JICA東ティモール事務所に相談し現地業務費を使ってサッカー用具を購入しました。

選手たちもスタッフたちも、とても喜んでくれました。
贈呈式はスタッフが「やりたい!」と考えて計画・実施されました。

式典では、JICA東ティモール事務所の伊藤所長からいくつかメッセージをいただきました。
 ・道具を大切に使うこと
 ・暴力をしないこと
 ・ゴミを捨てないこと

これらは私が活動を通して何度も言ったこと・感じてきたことで、所長には事前に概要だけ相談させていただきました。
(私が何回言ってもなかなか変わらないので所長からも言っていただけないでしょうか、とお願いしました)

ゴミについては以前の世界日記(サッカー現場の違い)でも報告しましたが、伊藤所長もサッカー経験者ということもあり、ワールドカップでの日本代表・サポーターの振る舞いのことと併せる等、具体的に話をしてくださいました。
メッセージが選手たちやスタッフたちの心に響いてくれたと信じます。

私の活動は残り約1年となりました。
新しい道具を使い、選手の夢・目標・成長をサポートできるよう邁進して参ります。

         ↑ビブスには大きく「JICA」のロゴを入れました。JICAをPRする作戦!

最後までご覧いただきありがとうございました。
ate tempu seluk!(テトゥン語で「アテテンプセルク!/またね!」)

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