JICA海外協力隊の世界日記

手のひらのパナマ野生蘭

持続可能な蘭の繁殖

こんにちは。あゆみです。

今回は、APROVACAの蘭の繁殖方法についてお話します。

APROVACAでは、地元El Valleの野生蘭を園内で繁殖し、Cerro Gaital山に戻す活動を行っています。(詳しくは、バックナンバー「山に戻った112の蘭たち」をご覧ください。)

“蘭を増やすのって難しいんでしょう?”

確かに、蘭の繁殖方法はさまざまで、専門的な技術が必要な手法もありますが、APROVACAでは「株分け」という、とても簡単な方法で蘭を増やしています。

「株分け」とは、その名の通り、株を分ける方法です。

鉢植いっぱいに育った蘭を手で小分けにして、他の鉢植えに植え替えるという、シンプルな方法です。APROVACAのミニチュア蘭の多くは着生ランなので、小分けにした蘭、もしくは新芽をウッドバークに巻き付けて完成です。

去年、地元の学生、APROVACAの職員とともに“ ¿Cómo se reproducen orquídeas en APROVACA?(どうやって蘭を繁殖しているの?)”というビデオを製作しました。ビビアナさんの解説もとてもわかりやすく、セミナーや、学生団体の訪問時に現地で活用しています。是非ご覧ください。

Link: https://youtu.be/43bNcarY7E4

“自然保護活動”とは、すぐに目に見える結果がでるものではありません。

植物だって生き物ですから、育つまでに時間がかかりますし、せっかく植林しても、人々の意識が変わらなければ再び伐採されてしまいます。

だから、保護活動と環境教育において “続けること(Sustainability)” は、何よりも大切なことなのです。

職員の70歳のおばあちゃんだってできるぐらい簡単な方法だからこそ、続けられる。

それでも、繁殖した蘭を育てるためには、来る日も、来る日も水をやり、手入れし続けなければなりません。

APROVACAのミニチュア蘭で生い茂った園内は、おばあちゃん達の長年の努力の結晶です。

ゆっくりでも、確実に。わたしはとても誇りに思います。

Ayu

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