JICA海外協力隊の世界日記

エクアドルBOSAI日記

世界津波の日を記念したセミナーで発表

¡Hola! ¿Cómo está? (オラ、コモエスタ?)こんにちは。皆さんお元気ですか

去る11月5日は「世界津波の日」でした。

2015年3月、国連にて毎年11月5日を世界津波の日として制定し、津波の脅威や教訓を伝える日として定められました。

昨年はこちらの日記でも紹介したように、任地サリーナス市役所主催で津波に関する展示を行うカサ・アビエルタが行われました。

(過去記事のリンクはこちら

子どもたちがそれぞれ津波に関するテーマについて展示・発表を行ったほか、絵画コンクールも行われました。

そして今年は、JICA事務所からお声かけいただき、防災・災害対策ボランティアとして、海洋学研究所(INOCAR)で行われたカサ・アビエルタでのセミナーに参加・発表の機会をいただきました。

登壇者はINOCAR、危機管理・サービス庁(SNGRE)、地球物理学研究所(IGPEN)、統括セキュリティサービスセンター(ECU911)、沿岸工業大学(ESPOL)、JICAプロジェクト(地震と津波に強いまちづくりプロジェクト)から計9名でした。

例えば、IGPENの発表では地震波の観測精度を上げる機械の設置・運用によって津波の到達予測や早期警報をより正確・確実にできるようになってきたとのことで、これらも日本政府・JICAプロジェクトによる継続的な支援によるものだと紹介がありました。(津波を伴う地震のモニタリング能力向上プロジェクト

(写真1枚目: 最後まで残っていた発表者で撮影した写真)

また、INOCARの技術者の多くは日本の東北大学に研修へ行き、そのメンバーを中心に、過去の津波観測データから最悪の場合を想定した大地震発生時(おおよそM.8.4の場合)の津波被害を想定した浸水地図を作成しています。

現在エクアドルで進行中の地震と津波に強い街づくりプロジェクトにおいても、INOCARが作成した浸水地図を参照に、避難可能地点の検討が行われています。(※サリーナスで公式的な避難場所は2箇所しかありませんが、今後は垂直避難、海抜標高や浸水地図によって避難場所までの距離が遠い場合でも避難可能場所を提示していくことが求められています)

いずれの発表でもJICAプロジェクト専門家による技術的支援について言及されていることが何よりも驚きであり、日本のODAの一環として行われてきた技術協力がこうして着実にエクアドル防災の一助を担っているという事実に、いちボランティアとして

感慨深くなると共に、こうした学識者レベルでの技術力の底上げをきっかけに、政策実務者レベルに行われているプロジェクトの働きかけを一時的なものから継続的にしていくことが今後の課題になっていくと思います。

その時に、エクアドル防災隊員としての地道な活動が一人でも多くの市民へ着実な種を植えられるきっかけとなることを望んでいます。

(写真2枚目:海洋学研究所にて行われたカサ・アビエルタの展示会場にて。普段見ることのできない貴重な観測機やモニタールームなどを見せてもらいました)

こうした専門家レベルの方々の発表の中で僭越ながら私も日本での津波による被害や教訓について紹介させてもらったのですが、思った以上に専門家の方々からよい反応をいただきました。

当地新聞にも掲載されました。(El universo 11/6 付け、リンクはこちら

日本で経験しなかった3.11をきっかけに、自分が日本人であるアイデンティティを強く持ち、防災・災害への意識が強く芽生え、正しい日本や被災地の姿を海外に伝えたいという想いで今日まで過ごしてきました。

その思いと今後への変わらぬ防災・減災への取り組みを新たな決意とできた今回の発表機会でした。

あと残り2ヶ月を切った活動も、終盤に入っています。

とにかく悔いを残さぬ毎日を過ごしていきます。

(写真3枚目:ポルトビエホ市役所危機管理部長の発表。2016年4月の大地震を経験されており、市は津波避難タワーの計画もされています。)

¡Hasta Luego! (アスタ・ルエゴ)それではまた。

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