JICA海外協力隊の世界日記

こちらモロッコですけどなにか?٩( ᐛ )و

羊犠牲祭 Eid al-Adha

サラム・アレイコム(こんにちは)

モロッコから 助産師のまーみん です。
イスラム教の国々では【羊犠牲祭『イード・アル=アドハー』】を迎えました。
モロッコ当局から 6月17日 であることが発表されると、人々は「イードおめでとう!」と声を掛け合います。

モロッコではイードの祝日は二日間ですが、これに合わせて休暇をとり、帰省や旅行を計画してご家族や親しい知人の方々と過ごすことが多いようです。
この期間はほとんどのお店が閉まり、国王様のご様子が中継されたり、お年玉のように子どもたちにお小遣いを渡したり、日本の三箇日を想起させます。
昨年、はじめてのイード では、当日の朝7時から迎えていただき、週末が重なり気づけば4日間お世話になっていました。(そこから学んだ今年は イード2日目になぜか文化の水遊びとお泊まり準備 をして、前夜に羊を迎えるところから伺うことにしました笑)

過ごし方のイメージができた人生二度目のイード前は、市場に並ぶ商品が普段と異なることに目がいきました。
お祈り後の 羊の解体 はお肉屋さんだけがするわけではないようで、各種サイズのナイフやノコギリ、縛るためのロープ、動物の身から皮を離す際に使われる空気入れ、内臓を洗う際に用いるプラスチックの大きな桶やザル、伝統的なBBQに使う網や串 が多く売られていました。(何にどう使うかわかって見るとなかなかのラインナップ…)
そして、前日あたりになると町中あちこちで刃物類が研がれておりなかなかの光景です。

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生きる力

今年に入ってモロッコの医療関係者による ストライキ と デモ が続いており、配属先や活動先の保健センターも先月からは 週3回のストライキ が実施されています。
その分、開院している日の保健センターはかなり診療業務が立て込むようになって、週間スケジュールの見直しを相談しています。

ストライキ中の平日に活動で支援ができない分、週末や医療キャラバンに力を入れて過ごしていますが、郊外からの帰り道に「プロモーションセール」の看板が車窓から目に留まり見ると…羊たちでした。

普段から町中でも多くの動物たちに出会いますが、イードでより良い羊を探すのも、一気に首にナイフを入れるのも、そのお宅の 主人の大仕事 です。
一歳程度のオスが選ばれるそうで、てっきり販売テントや農家さんのところに観に行くのかと思っていたところ、なんとも現代的で、出生ブランドなどを厳選してインターネットで写真を見て探し、売り手さんと交渉成立するとイード前夜までに自宅に配送して来てくれるのだとか。
何人かに聞いてみると、羊一頭 5,000〜6,000dh(8〜10万円くらい)とのことでした。
(kgいくらで価格表示されてるのはいかにも食する前提…あなたも買ったら?と言われることもあり、なんとも複雑な気持ち。)


市内で出会う動物ベスト5
1位 野良猫(どこもかしこも猫の町!)
2位 コウノトリ(ビーチ沿いになるとカモメ)
3位 野良犬(飼い犬は少ない)
4位 馬(さすが 馬の祭典 の本拠地⁉︎)
5位 羊、山羊、牛 ※毎年イード前になると がダントツ1位に返り咲く

偶然にもイードの当日、午前中に羊の屠殺を見届けた同じ場所で産気づいた 猫の出産 に立ち会いました。
陣痛中に安全な産み場所を自ら探し、一匹目を産むとその臍の緒を切って胎盤を食べ、生まれた子猫は自力で母のおっぱいを探し、強く生命力を感じる一日となりました。

イード直後の道端には血痕や骨・毛皮といった名残が見られ、保健センターには妊婦さんや患者さんの姿は少なく、現地の医師によると「町の人々は健診に来るよりも羊を食べることで忙しい」とのことでした。

#週末旅隊員︎ ~El Kelaâ des Sraghna エルケラデスラグナ~

任地エルジャディダから電車に乗車して 大都市カサブランカ を経由し揺られること3時間半、さらに乗合タクシーに1時間乗って エルケルデスラグナ にたどり着きました。
現地では カラッセラグナ もしくは カラァッ と呼ぶ方が通じるようです。

モロッコの中部の マラケシュ-サフィ地域 に位置し、砂漠に近い環境で夏場は灼熱の40度に気温が上がりますが、美しいアトラス山脈を見渡せる町です。農業が盛んで、郊外ではモロッコの朝食やティータイムに欠かせない オリーブの栽培 が盛んなことで有名です。(訪れたいと話すと同僚が教えてくれました)

実はコロナ前の2019年3次隊だった頃の私の予定任地というご縁で、任期中にどうしても行ってみたい町のひとつでした。日本にいた頃には先輩隊員さんがいないエリアで情報が少なく、地図を眺めてみても電車の駅がない都心部に出て行きにくいところのように感じていましたが、淡いピンク色の町並みは艶やかで、好きな町の マラケシュ まで車で1時間程度で足が伸ばせることがわかりました。

市場やタクシー乗り場で出会う町の人々はとても親切で優しく、もしこの町で二年を過ごしていたらと想像しながらのんびりと町を歩き、穏やかな時間を過ごすことができました。ふらりと立ち寄った町のオリーブ屋さんはとても気さくで、オリーブオイルを作る工程で使う機械の見学をさせてくださり、味見させてもらった 黒オリーブ が特に絶品でした。お土産のオリーブはイードを一緒に過ごした同僚にとても喜ばれました!

ビスラーマ ٩( ᐛ )و

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