JICA海外協力隊の世界日記

La vida en Honduras

ホンジュラスの新型コロナウイルス感染症の状況

         (政府から外出禁止令が発令されて閑散とした様子の首都テグシガルパ)

 こんにちは! 今回は世界的に猛威を振るう新型コロナウイルスがホンジュラスではどうなっているのか、現状をお伝えしていきます。日本でも全国の緊急事態宣言が5月末まで延長され、なかなか外に出れない日々が続いていますね。私がホンジュラスから日本に帰国した1月頃は、まだ中国国内で問題となっている程度でしたが、まさかこんなに目まぐるしい速さで日本、そして世界各国に影響が及ぶとは思いしませんでした。そしてそれは、残念なことに中米ホンジュラスでも大きな問題となってしまっています。

 ホンジュラス国内で最初に新型コロナウイルスの感染者がみつかったのは3月始めの頃です。それから拡大は急激に増えてしまいわずか2か月余りの5月8日時点で感染者数:1,771人死者:107人という数字になってしまっています。(ホンジュラス政府コロナ対策特設HPより)

 また、一部メディアでも報道されていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴いホンジュラスを含む世界各地で活動していたJICA海外協力隊員も現在は全員、日本に一時帰国をしています。その内の一人で、ホンジュラスで環境教育の分野で活動されていた横田裕子さんが3月頃のホンジュラスの様子を世界日記で伝えているのでまずはこちらをご覧ください。(「こちら」の文字をクリックするとサイトに移動します。)

   (県境で検問が行われている様子【運転手への検問のほか自動車の消毒作業も行われている】)

 政府による急な外出禁止令や外出時の細かく厳しい条件など、ホンジュラスがいかに緊迫した状況にあるかが横田さんの日記からも伝わってきます。

実際に、ホンジュラス政府がどのような行程でコロナ対策を行っているのか以下にまとめてみました。(在ホンジュラス日本国大使館HPより)

・3月15日: 政府が陸・空・海全ての国境を封鎖。

・3月16日: 政府が国内全域に外出禁止令を発令(日常生活に必要不可欠な買い物,医療機関への通院,薬の購入等に赴くことは除外されている

・3月20日: 首都含む一部地域のみに適用されていた「絶対外出禁止令」が国内全域に発令される

・3月27日: 収入源、食糧不足等で政府の対策に不満をもった市民による抗議活動が首都を中心に発生(政府による食糧配給が行われているが全世帯に配れていない状態)

・5月3日: 5月3日までとされていた外出禁止令が5月17日まで延長される

 以上、このほか国民一人一人が持っている身分証の番号をグループ化してそれぞれが外出できる曜日と時間を設けて、スーパーや銀行等の密閉状態を防ぐ策がとられています。

  (同僚が保健所で行っている手洗い指導の様子【密閉・密集・密接を避けて屋外で実施】)

  私の元任地であるグラシアス市では現時点では、感染者の数字は出ていません。しかし、同じレンピーラ県の周辺地域では既に感染者・死者共に確認されており、グラシアス市でもいつ感染者が出るのか時間の問題となっています(5月8日時点)。また、この時期私が特に心配しているのが、乾季の水不足です。グラシアス市では例年3月から5月頃まで乾季となり、日常的に断水が続く季節です。そうなると、十分な手洗いが出来ない、シャワーを浴びることが出来なかったりと衛生状態が悪くなります。また、貯水槽の古くなった水からはボウフラが湧いてデング熱などの熱帯感染症が発生してしまう可能性も出てきます。こうした状況の中で、求められている住民へのコロナ対策の限界に不安を感じているのが正直なところです。

 アフリカ諸国でも、新型コロナウイルスの影響で収入がなくなり、貧困に陥る人々が急速に増えている状況で、ホンジュラスなどの中南米諸国もいつそうなるかわからない状況です。(東京新聞「貧困アフリカのジレンマ」) 収入減少や食糧不足などの副次的被害が悪化するのを防ぐためにも、まずは一刻も早い感染者の拡大防止が求められています。

 

 

SHARE

最新記事一覧

JICA海外協力隊サイト関連コンテンツ

  • 協力隊が挑む世界の課題

    隊員の現地での活動をご紹介します

  • JICA 海外協力隊の人とシゴト

    現地の活動・帰国後のキャリアをご紹介します

  • 世界へはばたけ!マンガで知る青年海外協力隊

    マンガで隊員の活動をご紹介します

TOPへ