JICA海外協力隊の世界日記

Dive into Jamaica

クイーンコンクの保全計画策定とその裏側

みなさんこんにちは、

最近、アクアポニックでミントを栽培したら、鉢が丸ごとミントに占領されてしまいました。正直、ミントを舐めていました。雑草だと舐めてかかっていたらその浸食力の強さにを占領されてから気づきました。最初は鉢の端っこにちょっとおいていただけなのに…。ガ○スの仮面の月影先生がマヤを評価した時と同じ気持ちです。嬉しいやら末恐ろしいやら。

前回の続きです。コンクにおける資源管理計画の続きです。
「目の届く範囲でコンクの生殖を促して新規個体を増やす」という観点からコンクの資源管理計画を練ることになりました。これに思い立ったのは今年の2月後半にジャマイカの生き物が大概わかるようになっていたので、ここから何かできないかなと探している時でした。その頃に前後して禁漁区でコンクの密漁跡をちらほら見つけたりベリーズの保護区の管理官と話したりするうちにコンクは保護する対象において優先度が高い種であると再認識した時期でした。
先行研究から役立ちそうなのをちょこちょこ見つけて、資源管理計画に関する提案書を作る運びになりました。もともと、そこまで形式張った提案書ではなく「保護区の一定区画でコンクの産卵が誘導できたら資源量回復の一助になるよね?」程度の軽い気持ちで書いていたら、配属先の大本の学長の目に留まり、書き直しを命じられました。
ここから、落ち込むことだったり、モチベーションが下がるイベントが多々あって書き直しから目を背けていたのですが、さすがに、現実に振り返り先月、配属先の上司と書き直しました。現在はNEPA(ジャマイカの環境省)のCITES(ワシントン条約)担当官のお墨付きを経て、特別採捕許可や設置許可等で交渉することになりました。
この目の届く範囲で生殖を促して新規個体を生み出すという考え方は日本の「里海」の考え方を参考にして提案しました。地域に応じた人の手を加えることで多様性を増やすという事からこの「コンクの過密飼育によって生殖を促す」という計画へ応用しました。(ちなみにタイトルは"Queen Conch induced spawning by density manipulation”です。)

成熟個体を保護区の一定区画に収容して、産卵時期まで飼育することによって生殖をスムーズに行わさせるのがそもそもの計画だったのですが、これに加えて、現在におけるコンク資源量を把握するための資源量調査手法の開発を入れた計画を立てました。しかも、他の保護区でも行いやすいようになるたけシンプルに計画を立てる必要がありました。写真は調査手法の例です。こんな感じのベルトトランセクトと標識再捕獲法を組み合わせてやってみようかなと思っています。(島嶼間における遺伝的多様性とか色々触りたいですが…。Pop Genとか絶対面白いだろうなぁ…。CARICOM間におけるコンクのミトコンドリア遺伝子の交流とか論文かけそうですね。私はやりません。)
提案書を詳しく書くと、世界日記2章分くらいになるので、これくらいにしますが、とりあえずはこんな感じです。
上司に最初の提案書を見せたら書き直しで真っ赤になって帰ってきて「あ、これは始めたらあかんやつや」と思っていた提案書が色々肉付けするうちに自分の手の届かない場所に行ってしまいました。私がコンクに関わる活動は任期中は無いかもしれませんが、勉強する非常にいい機会になりました。

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