2020/09/24 Thu
活動 生活
環境教育の活動~ものづくり
引き続き、今年3月末に退避一時帰国する直前まで行っていた活動について書きたいと思います。
赴任最初の頃は活動がうまく進まず、市役所や住民に私が何をしにきたのかあまり知られていませんでした。そこで、任地にある材料でお菓子を作って試食してもらうことから、毎日会う市役所職員に私の存在や活動を伝えていく作戦を始めました。
また、隣の市で活動していた別の環境教育隊員がペーパービーズとプラスチックボトルのアクセサリー作りをしていたので、教えてもらって試しに作ってみました。実は、私は廃棄物をリサイクルしたアクセサリーは「ごみをつけている」ような感覚がして苦手でした…しかし、紙やペットボトルだと分からないようなお洒落なデザインにすれば、つけたいと思うようになってきました。
写真は、2月末の任地のお祭りで、リサイクルアクセサリーを販売したときの様子です。ホンジュラスでは小さい頃から女性はピアスをつけるので興味を持ってもらえました。現地の女性曰く、小さめでシンプルなデザインの方が「目を惹く」そうで人気がありました。
作り始めて分かってきたのは、プラスチックボトルは軽くて丈夫なのでアクセサリーに加工しやすいことです。日本ではリサイクルしやすいようにキャップの規格を揃えた透明のペットボトルが流通していますが、ホンジュラスでは透明をはじめ、3種類くらいの緑色、グレー、白など様々な色があり、環境教育の教材には使いやすい材料です。
ペーパービーズは作る過程は面白いのですが、任地では雑誌や紙は日本のように沢山廃棄されないので、わざわざきれいな紙を探すことになると分かりました。
それから、これまで私はあまり目を向けていなかったのですが、ホンジュラスにも少し大きな町には、アクセサリーのパーツや道具を売っているお店があり、アクセサリー作りをしている人がいます。また、在留邦人の方は日本らしい折り紙を使ったピアスを作るなど、趣味の活動が盛んです。
リサイクルアクセサリー作りでは廃棄物は減りませんが、アクセサリーを作るためにプラスチックボトルを集めるときに、ゴミの中から拾うよりは、飲み終わったボトルを洗っておく方が簡単なので「ごみを分別すると捨てるゴミが減る」ということを気づくための活動になると思い、プロジェクトを企画してまずカウンターパートに提案しました。
その後、市議会で時間をもらって試作品を見せて発表しました。リサイクルアクセサリー作りを女性住民に教えて、彼女達が作れるようになって販売ができれば新たな収入となること、プラスチック廃棄物について考える機会になり、さらにグイノペ市が環境保全の先進的な取組をしているという宣伝になることを伝えました。市議から共感が得られて、女性の副市長のもとで一緒にプロジェクトを進めることになりました。
協力隊の活動は「現地の人と一緒に考えてやってみる」ことにやりがいや意義がありますが、今回は全く新しい活動を始めるので、お祭りのときに販売の様子を見て興味を持ってもらったうえで、ワークショップをすることにしました。そして、さらに伝えたかったことは、"ゴミが減るからアクセサリーを買う”人はあまりいないということ、"かわいい、欲しいからアクセサリーを買う”ので、質にこだわって作製すること、です。写真はお祭りのときにピアスを買ってつけてくれた親子です。分かりにくいですが、左側のお母さんがピアスをつけています。
この活動も、初回ワークショップ開催の2日前に、新型コロナウイルス感染症の問題で市役所が閉庁になり、私も首都に移動しそのまま帰国することになったので中断しています。教育関係、市役所、市民グループなど各グループから女性達が参加する企画だったので、今後の展開が楽しみだっただけに残念ですが、新たな機会を見つけて活動が再開できれば、と思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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