JICA海外協力隊の世界日記

La Vida Rica

環境教育の活動~知ってもらう

退避帰国して早くも5か月が経ちました。オンラインで授業をしたり動画配信などの活動を続けている隊員もいますが、私の任地は自宅でPCでネットを見れる人は少ないので、そういった活動は出来ていません。

そんな状況ではありますが、任地でやっていた環境教育の活動について引き続き書きたいと思います。

環境問題に取り組むには、(1)グリーン系といわれる私達が住んでいる空間の急激な変化を問題とする森林保全、生態系保全、気候変動対策など、(2)ブラウン系といわれる環境問題が既にあるところから始まった廃棄物管理・処理、資源循環型社会、そして(3)学校教育や行政、エコツーリズムなど幅広い知識と、(4)途上国で応用するためのアイディアや活動を実行するための産官学民連携の働きかけが必要です。加えて、その地域で実施されている政策や教育委員会、住民の意向にも左右されます。(1枚目の写真は小学生の教室に貼ってあった子どもが描いた環境保全の絵です)

知っていた方がいいことは色々ありますが、最近はどの派遣国でも隊員が生活する地域ではネットが使えるので、知らないことは調べたり、技術補完研修の先生などその分野の詳しい人に相談することが出来ます。

環境教育隊員の活動は、配属先の要請によって、学校などでの環境教育の強化やコンポストセンターの運営サポート、環境センターのプログラム企画、野生動物の調査というように内容が具体的に決まっていて、そのなかで活動をする隊員もいれば、何も決まっていなくて自分で活動を作っていくこともありますし(私はこちらでした)、隊員のバックグラウンドによっても活動は様々です。

協力隊の活動は「学校巡回して啓発活動をする」イメージがあると思いますが、私の任地では公共交通機関でアクセス可能な学校は小中学校が1つずつしかありませんでした。その学校も授業や試験、行事などで啓発のための時間がとれないことが多々ありました。ということで、私は1つの小学校と1か所の保健所で時々啓発を行っていました(2枚目の写真)。ホンジュラスでは環境教育の授業は科目には無いので、他の科目の教育隊員のように決まった時間割の時間に行くというのではなく、校長先生に相談して都度予定を立てていました。隊員活動の「あるある」ですが、当日行ったら「今日は出来ない」というときもありました(^^; 

環境教育の啓発の他には、市内のゴミ収集車に便乗して回収の状況を調べたり、市役所が実施する市内のゴミ拾いに参加していました。また、任地ではJICAの森林保全プロジェクトが実施されていたので、会議やワークショップに参加して、プロジェクトに関係することで隊員の活動としてできることを探していました。

1年目はそんな感じで模索の日々を過ごしていましたので(前々回の記事に詳しく書いています)、配属先の市役所職員や他の住民は私がいつどこで何をしているかほとんど知りませんでした。環境分野でボランティアとして来たことも知らない人も沢山いたと思います。そこで、私の活動を知ってもらうには何をしたらいいかを考えました。

市役所では、毎日大量にコーヒーを作って職員や来庁者に振舞っています。そして半分位は残っていて捨てていました。そこで、他の隊員が手作りゼリーを作っていたのをヒントにして、首都に行ったときにゼラチンを買ってきて、市役所で余ったコーヒーでコーヒーゼリーを作ってみました。ホンジュラスでは大人も子どももコーヒーが大好きです。市役所職員の反応は上々で、市長にも試食してもらい、市議会でも振舞いました。任地らしさを出すためにパッケージを手作りしました。(3枚目の写真)

他にも任地で生産されているたまねぎでオリオンリングを作ったり、簡単なケーキを作って試食してもらい、「この日本人は新しいことを教えてくれる」と思ってもらう作戦を始めて、徐々に興味を持ってもらえるようになりました。ものづくり活動についてはまた次回詳しく書きたいと思います。

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