JICA海外協力隊の世界日記

はらぺこみのりむしliving inフィジー

家庭菜園のすすめ

Grow your own Food

Promoting Healthy Eating Through Home Food Gardening

家庭菜園で健康的な食生活を

Hi bula.

外出の自粛が求められる中、家庭菜園に注目が集まっているというニュースを耳にします。

フィジーにおける家庭菜園の推進について書こうと思います。

その前に、Food and Health Guidelines for Fiji について触れておきます。

このガイドラインは、日本でいう食生活指針のようなものでしょうか。

食生活指針(農林水産省):一人ひとりの健康増進、生活の質の向上、食料の安定供給の確保などを図ることを目的として、2000年3月に当時の文部省、厚生省、農林水産省が策定。

Food and Health Guidelines for Fiji

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  1. Include a variety of foods from the 3 Food Groups in each meal. Go local!
  2. Choose and prepare food and drinks with less salt, sugar, fat and oil.
  3. Be physically active to maintain a healthy weight.
  4. Eat more local fruits and vegetables.
  5. Eat healthy snacks.
  6. Breastfeed your baby exclusively for the first 6 months.
  7. Give Children healthy meals and snacks.
  8. Stop smoking. Drink kava and alcohol responsibly.
  9. Drink clean and safe water.
  10. Grow your own food.

  1. 毎食3つのグループ(Health protective Food. Energy Food. Bodybuilding Food)から多種類の食品を食べよう。
  2. 減塩、低糖、低脂質の食べ物と飲み物を選ぼう。
  3. 健康的な体重を維持するために活発な身体活動をしよう。
  4. 地元の果物と野菜をもっと食べよう。
  5. 健康的な間食をとろう。
  6. 赤ちゃんに最初の6か月間は母乳を与えよう。
  7. 子どもたちに健康的な食事と間食を与えよう。
  8. 禁煙しよう。節度を持ってkava(カバ)とお酒を飲もう。
  9. 清潔で安全な水を飲もう。
  10. 食べものを育てよう
  • 参考
  • Ministry of Health and Medical Services(保健医療サービス省)http://www.health.gov.fj/
  • National Food and Nutrition Centre(NFNC.国家食糧栄養センター)http://www.nutrition.gov.fj/

【補足】kava:大洋州地域で飲まれている嗜好飲料。コショウ科の木の根を乾燥させて砕き、水を加えて混合した飲みもの。文化や儀式的意義との強い結びつきに加え、適度に楽しんだときに、不安を和らげ、リラックスさせ、集団の社会的結合をもたらす可能性がある。kavaの有効成分は記憶喪失、痛み緩和、気分安定、集中力強化、睡眠導入などの影響を与える。過剰なkavaを飲むと、目の充血、嗜眠、胃の痛み、crocodile skin(うろこ状の肌)などマイナスの副作用が発生する。

バヌアツ隊員さんがkavaについて書いています。記事1記事2

Nutritious foods and an active lifestyle can help achieve good health throughout life. Fiji Food and Health Guidelines, if followed, will lead to healthier lifestyles, people and families.

10項目からなるガイドラインの10番目に「食べものを育てよう」とあります。

Why grow your own food?

85%のフィジー人は十分な野菜と果物を日常的に食べていない。これはNCDs(Non Communicable Diseases)急増の1つの大きな要因である。家庭菜園は、シンプルで実用的な健康増進の方法である。ガーデニングは楽しい。そして、新鮮な果物、野菜を家族の食事に提供する。いくつかの身体活動の機会を与え、あなたの健康を保つ。

また、気候変動の影響と頻繁な自然災害により、フィジーでは食糧と栄養の安全保障が脅威になりつつある。食料価格の高騰が現れ、すでに脆弱で不利な立場にある人々に影響を与えている。

と、NFNCが発行する刊行物には書かれています。

保健医療サービス省が掲げるStrategic Plan(戦略計画)の中には、気候変動と健康に関するものがあります。SDGs(持続可能な開発目標)のそれぞれの目標は密接に関連しているということを改めて考えさせられます。

家庭菜園の推進が図られ、地域やコミュニティ、学校、家庭に定着しているか。畑の保有率や稼働率などの統計データは見つけられませんでした。しかし、主観的な感覚としては、多くの人々が畑を持っており、栽培方法の認知度は非常に高いように思います。週末は芝刈りと畑仕事をするという人もよく聞きます(首都Suva cityに住む人は異なるかもしれません)

同僚宅に招待してもらったときに、裏庭を見学させてもらいました(トップ画像)。Taro(タロイモ)、Moca(モザ. 緑色の葉物野菜)、唐辛子、カレーリーフなどを栽培しており、立派なお庭でした。

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私の職場には、Wellness Gardenがあります。病院給食の材料に充てる程の収穫量は期待できませんが、栽培していることが来院者への「生きた教材」となっているのかもしれません。コミュニティなどでフードデモンストレーションをする際の材料として使用することができます。Town Council(市役所)に勤務していた先輩の環境教育隊員さんが、給食の残菜から肥料を作ってみないかと提案をしてくれました。残念ながら実現には至りませんでしたが、とても興味深いと思いました。

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敷地内には、ココナッツ、バナナ、パパイヤの木もあります。パパイヤの木は、私の前任の栄養士隊員さんが植えました。背が高過ぎて、実をとるのにひと苦労です。これは、Myna bird(マイナバード. 鳥)用だよと言われました。ははは

植物や野菜の栽培に力を入れている学校もあります。子どもたちは身近に栽培活動に触れているため、植物の育ちをよく理解しています。

タイヤなどの廃材、竹やココナッツの殻などを利用した栽培はデザイン性があり芸術的です。アイスクリーム容器やペットボトル、洗剤のボトルなど、小さなコンテナを利用した栽培は手軽に始められます。

私も、プランターでバジルを栽培しています。植物を愛でる暮らし。安らぎを与えてくれます。

最後に、家庭菜園で得られるポイントです。

〈Key points〉

  • *より多くの果物、野菜を食べることで家族の健康を促進する。
  • *新鮮な産物をあなたの庭から得ることで節約になる。
  • *アウトドアエクササイズの機会を得る。また、リラックスさせ、ストレスを発散し、頭をクリアにし、新鮮な空気と日光を手に入れる。
  • *美味しい食べものを楽しむ。新鮮な食べものは最高に美味しい。
  • *安全な食べものを庭から得られる。あなたが育てた健康な食べものは安全性に信頼できる。

いいことたくさんですね。

Vinaka.

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