JICA海外協力隊の世界日記

わたしのセルビア時間

セルビアの民族舞踊Kolo(コロ)

Zdravo!

今冬は11月下旬に初雪が降り-10度近くまでいったので寒い冬かなと思いきや、先週からかなり暖かくまだスキー場もオープンしていない状況です。今年もあと残すところ数日となりましたが、年末年始もこの調子だと暖かいかもしれません。

さて、今回はユネスコ無形文化遺産の一つにもなっている、伝統的なセルビアの民族舞踊、KOLO(コロ)(2017年登録)についてお話ししたいと思います。

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セルビアの踊りと言ってもなかなか馴染みがないかと思いますが、小学校の時に習った人もいるかもしれませんが、皆が手を繋ぎ円になり、集団で踊るフォークダンスになります。基本的なステップ自体は簡単で、セルビア人でも曲がかかると小さい子でも年配の方でも踊れるものです。セルビアでは、結婚式やお祝い事、年末の行事やサマーイベントなどでもかかり、皆で一体となってその時間を楽しみます。

一方で地域ごとにきちんと舞踊団として訓練しているダンスチームがあり、各地域によって踊りや衣装なども異なりそれぞれの地域の文化を受け継いでいます。私がいるエリアは、近郊の街Uzice(ウジチェ)のスタイルをとっており、Uzcko koloと呼ばれています。

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ちょうと先日、“KUD Zlatibor”と呼ばれる、ズラティボル地域のダンスグループのパフォーマンス公演があり同僚の2人も踊っていたので、見に行ってきました。

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さすが、プロフェッショナルなダンスグループ!

音楽にあわせて変形していく様々なフォーメーションや足の細かいステップ、伝統的な歌や小物アイテムを使った踊りなどもあり、見応えがありました。また、当日はNovi PazarエリアのKUDも登場し、地域ごとの違った衣装も見ることができたのが興味深かったです。

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ちなみに無形文化遺産について話が出たので、その他のものもご紹介したいと思います。

UNESCOのセルビアの無形文化遺産のサイト(英語)

・Slava(スラヴァ) 2014年登録

セルビア正教では家庭毎に家の守護聖人がおり、その守護聖人の日を親族や親しい友人らと集い祝う文化があります(以前ご紹介済み)。セルビアならではの独特の文化です。→スラヴァについての過去の記事はこちら

・弦楽器グスレの弾き語り 2018年に登録

バルカン半島地域(ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビア、モンテネグロ、クロアチアなど)に伝わる一本弦の弓奏楽器、グスレ。楓材などの木をくり抜き削り出して製作されるそうです。ネック部やヘッド部は馬や猛禽類の鳥などの彫刻がされているものもあります。伝統的な演奏者guslar(グスラル)が、英雄や歴史の物語・抒情詩を弾き語るもので、日本でいう、琵琶法師のような感じでしょうか。私は、文化センターで行われた公演でしか聞いたことがなく、なかなか日常では聞くことが難しいです。

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・Zlakusa Pottery(ズラクサ焼)2020年登録

Uzice(ウジチェ)とPozega(ポジェガ)という町の間に位置する、セルビア西部にあるズラクサ村に伝わる陶芸技術(ズラティボルからは1時間強ほど)。粘土や方解石といった原材料から鍋などの食器を作るこの陶芸品は3世紀以上の歴史を持つそうです。ズラティボルも含め、地方の郷土料理の店ではこのズラクサ鍋で作られた煮込み料理を食べれます。

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・šljivovica(シュリヴォヴィツァ) 2022年登録

ラキアと呼ばれるフルーツブランディーがセルビアを始め、隣国(旧ユーゴスラビア国)で作られていますが、シュリヴォヴィツァはその最も代表的なものでもある、プラムを使ったお酒のこと。その準備工程や知識・スキル、日常及び儀式でも飲まれる点など、相対的に評価されて、登録に至ったようです。→ラキアについての過去の記事はこちら

長くなってしまいましたが、上記の無形文化財の全てをありがたいことに私は滞在中に体験することができました。こういった固有の文化は人から人へ伝わっていくものであり、今後もセルビアならではの文化的魅力として、受け継いでいってもらいたいものです。

さて、2023年も終わろうとしています。

帰任まで残すところ、あと1ヶ月半となりました。2024年残りのセルビア生活も実り多きものでありますように。

また、来年も短い期間ですが、引き続きお伝えしていきたいと思います。

Vidimo se!

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