2025/03/21 Fri
イベント 国際デー 活動
# 31 「スペクトラム」であること


こんにちは。篠宮です。
僕は今、セネガルの首都ダカールで障害児・者支援の隊員として活動をしています。
3月21日は「世界ダウン症の日」でした。
僕の配属先では、前日の20日にイベントがありました。
去年も紹介させていただきましたが、改めて「当日の様子」を紹介していきます。
また、公益財団法人日本ダウン症協会では、3月21日の「世界ダウン症の日」とともに4月2日の「世界自閉症啓発デー」についても知ってもらうために協働しています。
※世界ダウン症の日2025 特設サイト 公益財団法人日本ダウン症協会HP(https://www.jdss.or.jp/wdsd2025/」)参照。
なので、僕も今回の記事では「世界ダウン症の日における当日の様子」と合わせて、「世界自閉症啓発デー」とも絡めて、タイトルにもあるように「スペクトラムであること」について綴っていきたいと思います。
なお、「ダウン症」及び「自閉症」については去年の記事で詳しく説明しているので、詳細は省きます。
https://world-diary.jica.go.jp/shinomiyahayato/cat3120/_11.php
↑
去年の「世界ダウン症の日」についての記事。
https://world-diary.jica.go.jp/shinomiyahayato/cat3120/_12.php
↑
去年の「世界自閉症啓発デー」についての記事。


まずは、僕の配属先で行われていた「世界ダウン症の日」に合わせたイベントの様子について。
↑
当日はセネガルの教育大臣も来所されていました。(写真中央のグレーのスーツを着た男性)
↑
クラスごとに分かれて、製作や塗り絵などの作業をしていました。
当日は
・センターに来所しているこどもたちの姿、様子を多くの人たちに知ってもらうこと
・センターの活動内容を知ってもらうこと
などを目的として、センターを開放しており、多くの方たちが来所、見学されていました。
僕も当日は、今入らせてもらっているクラス(5-7歳児が8-10人ほど)のこどもたちとペインティングを一緒に行ないつつ、担任の先生たちのサポートをしていました。
↑
担任の先生がこどもと一緒に筆を持って、ペインティング中。
↑
持っているパンを絵の具につける遊びをしようとしている子を制止中の篠宮。(まさか写っているとは。笑)
↑
「靴下」(世界ダウン症デーでは、疾患の原因となっている非定型の染色体を模して、左右非対称の靴下を履く、モチーフにして啓発していたりします。)と「ÊTRE DIFFERENT, C'EST NORMAL 」: (人と人が)違うのは当たり前のこと」という意味のフランス語です。
以上が、簡単にですが「当日の様子」です。
続いて、「スペクトラムであること」について。
↑
「セサミストリート」では自閉症の特性を持つジュリアが登場します。(他にも多様なバックグラウンドを持つキャラクターが登場します)
詳しくはセサミストリート公式HP(https://www.sesamestreetjapan.org/index.html)を見てみてください。
※上記のリーフレットは「世界自閉症啓発デー 日本実行委員会」【HPはこちら https://www.worldautismawarenessday.jp/】に使用申請、承認済みです。
「スペクトラム」について、少し補足すると、
・「スペクトラム(spectrum)」とは英語で、日本語に訳すと「連続体」「範囲」を意味する言葉、光学や物理学では「波長やエネルギーによる分布」を指す。
・精神医学では、1980年に『アメリカ精神医学会(APA)による精神疾患の診断・統計マニュアル』【DSM】が発表され、2013年の【DSM-Ⅴ】の改訂において、これまで「アスペルガー症候群」「広汎性発達障害」「自閉症」と分かれていたものが、「自閉スペクトラム症」【ASD:Autism Spectrum Disorder】に統一され、この「スペクトラム」という捉え方が広く浸透されてきました。
※詳しくはこちら、もしくはぜひ調べてみてください。
・『スペクトラム(連続体)』の理解【こどもとおとなの訪問発達サポート Apila HP(https://hattatuapila.xsrv.jp/think-of-spectrum-452.html)】
・「自閉スペクトラム症(ASD)とは?症状や診断について」【日本福祉大学 FUKU+TOPICS(https://www.n-fukushi.ac.jp/recurrent/topics/003875/)】
去年の「自閉症啓発デー」の記事でも書きましたが、僕はこの「スペクトラム」という捉え方、考え方を気に入っています。
今回は、この「スペクトラムであること」を、上記のことも踏まえながら僕の主観で掘り下げていきたいなと。
↑
「スペクトラム」の身近な例が「虹」で、色のスペクトラム。
僕の中でも「スペクトラム」と言えば、このイメージで、もうちょっとグラデーションがあって球体です。
つまり、僕の中で「スペクトラムであること」とは「ここ(赤,左)からここ(水色,真ん中)が健常(普通)で、ここ(水色,真ん中)からここ(ピンク,右)が異常(障害)」などのように、線引き/境界があるという捉え方ではなく、「みんなこのスペクトラム(連続体)の中にいて、いろんな濃淡(名前、国籍、性別、宗教、価値観、好き嫌い、傾向などなど)があるよね。」という、線引き/境界がないという捉え方です。
なんとなくイメージできましたでしょうか?
つらつらと、さも全部わかっているかのように書いていますが、それを「僕自身が実践できているか」、「周りの人たちに伝えられているか」というと、答えはノーで、「まだまだだなぁ」と。
そして、セネガルに来る前の僕は、この「スペクトラムであること」を頭(理論や実践)ではなんとなくわかっていましたが、実際にセネガルで生活・活動し、確かな実体験として積み重ねる経験を通して、頭(理論や実践)と自分自身の心や身体(感情)でもなんとなくわかってきている気がします。
残りの活動任期も約1ヶ月となりました。
最後まで、この「スペクトラムであること」(セネガルで学んできたこと)を胸に、活動できたらなと思います。


そして、冒頭にも記述しましたが、4月2日は「世界自閉症啓発デー」です。(日本では4/2-8が、発達障害啓発週間です。)
日本各地で、ブルーライトアップなどのイベントがあるので、興味のある方はぜひ参加してみてください!
※詳細はこちら→https://www.worldautismawarenessday.jp/national-efforts2025/【世界自閉症啓発デー 日本実行委員会 HP 日本各地での取り組み(予告)】
長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。
それでは、またお会いしましょう。
SHARE