JICA海外協力隊の世界日記

ブータン便り

2年目の景色 〜更なる挑戦~

皆様こんにちは。
ブータンで柔道隊員として活動していました福井勇貴です。

帰国して約3週間が経ちました。

ブータンから日本に帰国し、羽田空港に到着した時は、少し逆カルチャーショックを受けました。
この2週間は、行政手続きや帰国時健康診断、表敬訪問などで意外と忙しい日々が続いていましたが、少しずつ日本での生活に馴染んできています。

私の世界日記ですが、【派遣前】【派遣後半年】【派遣後1年目】【派遣1年半】【派遣2年目】【派遣2年半目】【派遣3年目】【帰国後】の8つのトピックに分けて、これまでの活動を紹介させていただいています。

今回を入れて残り4回、引き続き、多くの方々に見ていただけると幸いです。

前回、派遣後1年から1年半まで(20233月~9月中旬)の活動について紹介させていただきました。
今回は、私がブータン国に「赴任してから2年目の活動」(2023年9月後半~2024年2月)について書かせていただきます。

ブータン柔道協会では、202310月中国杭州で開催されるアジア大会に3名の代表選手の内定が決まっていたので、この大会で成績を残すためにコーチ・選手が一丸となって準備をしていました。

918日、ブータンでの最後の調整練習を終えて、19日ブータンの別競技の代表チームとともに中国(杭州)に向けてブータンを出発しました。

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到着後は、選手村に入るための様々な手続きを行い、選手村の食堂で昼食をとり、夕方からコンディショニングトレーニングを行いました。

それから大会までの数日は、選手村・大会会場で調整練習を行いました。

923日、柔道競技の日程がいよいよ前日に迫った日でしたが、選手たちの希望もあり、全員で開会式に参加しました。画像3.jpg

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これまでテレビで見てきたアジア大会の開会式、初めて歩くアジア大会の開会式に心を踊らせながら、ブータンの民族衣装を身に纏って行進しました。

行進後、開会式に30分ほど参加した後、宿泊地の選手村に戻り、翌日から始まる大会に備えて休息しました。

ブータンからは、-60kg級、−66kg級、-73kg級の3名が出場しました。

24日は男子-60kg級、-66kg級の大会でした。
結果は、両階級の選手たちは格上の選手たち相手に善戦をしましたが、惜しくも1回戦で敗退しました。

翌25日は、-73kg級の大会でした。
前日同様、大会前アップを行い、万全な状態で試合に挑んだものの、1回戦敗退となりました。

この大会には、アジアを代表する格上の選手たちが出場していましたが、その中で自分たちにできる最高の力を出し切って試合に挑みました。

1回戦突破という目標を達成することはできませんでしたが、自信を持って試合に取り組んだ選手たちを、私も誇らしく思います。
これまでの準備が無駄ではなかったと証明することができた試合でした。

ブータン選手の試合は終了しましたが、他の階級や男女混合団体戦の日程が控えていましたので、各自試合観戦をして、帰国日まで過ごしました。

ブータン代表チームの監督としてアジア競技大会に参加できたことは、私にとっても非常に貴重な経験となりました。

それから約1ヶ月後の10月末、ブータン青年海外協力隊35周年記念式典が執り行われました。

式典にはブータン国王も参列され、私も国王にお会いすることができました。

そんな大きな式典の場で、隊員の活動紹介の一つとして、ブータン柔道協会は柔道デモンストレーションをさせていただきました。
私も選手たちと共にデモンストレーションを行いました。

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35周年記念式典の翌日には、大使館主催による日本週間イベントが開催され、例年のように私たちブータン柔道協会は、オープニングセレモニーで柔道紹介イベントを実施しました。

また、この日本週間イベントでは、NPO法人JUDOsさんが寄付して下さった柔道衣99着の贈呈式も執り行われました。JUDOsさんは、普段からブータン柔道協会をサポートして下さっており、ウェブサイトには、私の活動報告ブログも掲載されています。

贈呈式では、JUDOs代表を務める井上康生さんにからのビデオレターも放映されました。

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35周年イベントが終わり、私たちは11月下旬に開催されたAsian Judo Open Hongkong 2023への出場と優勝を目指して、トレーニングと稽古を再開しました。

この期間、柔道の稽古はもちろん、ウエイトトレーニング・パワーリフティングに加えて、タイヤ投げ、タイヤ引き、バトルロープなど、瞬発力をつけるトレーニングにも力を入れました。

トレーニングから1ヶ月後の1123日、私たちは、香港に向けて出発しました。
翌日の午前7時頃、香港に到着したのですが、ここで、大きなトラブルが発生しました。

ブータン柔道協会と大会運営側、ホテルとの間でミスコミュニケーションがあり、すぐに部屋に入ることができなかったのです。
ホテルに到着してから約9時間後の夕方4時、ようやくトラブルが解決し、ホテルの部屋に入室することができました。

ホテルのロビーで待機したり、軽いランニングをしたりしながら、9時間という長い時間を待っていたことを、今でも鮮明に覚えています。

翌日、試合会場での最後の調整練習を行い、-66kg級と-73kg級の2名がブータン代表として出場しました。
結果は、両選手とも善戦をしましたが、一回戦敗退に終わってしまいました。

ブータンに帰国後は、この大会で見つけた課題を克服するために、反省会を実施しました。

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帰国して約1ヶ月が過ぎた頃、私のブータンでの活動を記事にしたいと連絡をいただき、JAPAN TIMESの取材を受けさせていただきました。

以下にリンクを掲載させていただきますので、もしお時間があれば読んでいただけると幸いです。

'The people of Bhutan think differently, and that has changed me' - The Japan Times

JAPAN TIMESの取材が終わり、約2週間が過ぎた頃、学校に通っている選手たちが冬休みに入りました。
そして
12月中旬から例年通り、Winter Judo Camp(冬合宿)を実施しました。

このJudo Campは約2ヶ月のプログラムで、2月の中旬まで実施しました。

プログラムの中では、選手たちの交流を目的に、クリスマスを祝うイベントも実施しました。
選手たちは、全員で囲んだケーキを食べながら、楽しそうにチームメイトと談笑していました。

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また、年末ということで30日、普段使っている柔道場に感謝をしながら、全員で大掃除をしました。

新年を迎えて12日、それぞれ新たな新年の目標を掲げて、稽古を再開しました。

それから2週間後の1月20日には、National Winter Judo Tournamentを開催しました。

この大会では、Winter Judo Campで練習してきたことを発揮すべく、選手たちが一戦一戦、真剣に試合に臨んでいたのを、今でも鮮明に覚えています。

131日にはWinter Color Belt Test(昇級試験)を実施しました。

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このColor Belt Testにて私たちのWinter Judo Campが終了しました。

それから1週間後、ブータン柔道協会は、甲南大学柔道部、武庫川女子大学柔道部の方々を招待して、Bhutan Jita-Kiyouei (ブータン自他共栄)イベントを開催しました。

このイベントでは、各大学柔道部の学生の皆さんに技の講習会をしていただいたり、合同練習を実施しました。
海外から、インド、バングラデシュ、ネパールの柔道チームも参加しました。

このイベントの最後には、Bhutan 2nd Jita-Kiyouei Tournament(第2回ブータン自他共栄大会)が開催されました。

この大会は、ブータン柔道協会が初めて開催する、国際柔道連盟ルールに沿った国際大会でした。
初めての国際大会の運営ということで色々大変なことも多かったですが、素敵な大会を開催することができて良かったと思います。

選手たちも貴重な国際大会への出場を経験することができました。

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というような感じで、今回の「派遣から2年目」について、を終わりにしたいと思います。

次は、任期終了2ヶ月前に約1年間の延長の話をいただき、延長を受けて行った2年半目以降の活動についてお話ししていきたいと思います。

今後も少しでも多くの方々に見ていただけると嬉しいので、よろしくお願いいたします。
(前回までの記事はこちら

また過去2年間分の私の詳しい活動内容がNPO法人JUODsさんのウェブサイトにて記載されています。
もしお時間がある方は、そちらも見ていただけると幸いです。

JUDOsカディンチェ柔道日記リンク
https://judos.jp/category/activity/publicity/report/bhutan/

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