2024/07/30 Tue
観光
モロッコの歩き方 ~N°02 カサブランカ・エルジャディダ~
サラム・アレイコム(こんにちは)
モロッコから 助産師のまーみん です。
今回は「モロッコの歩き方 10/2022~09/2024」第二弾は、
マザガンのポルトガル都市 編
大都市カサブランカ(Casablanca)経由して、任期終盤の今だからこそ まーみん愛する任地エルジャディダ(El Jadida)を存分にご案内しようと思います!
車以外でのモロッコの都市間移動は、電車・バス・中長距離タクシー・飛行機がありますが、夏場の電車内は結構蒸し暑くなる場合があるので注意が必要です。つい最近、車掌さんに一等車は涼しいのか尋ねたところ、「大差ないよ。この車体は君より古いからね」とのことでした。(どこまでほんまか知らんが1997年製だったので流石にそれはない笑)
首都ラバト からはバスでも移動できますが電車で南に向かいます。途中下車でラバトとカサブランカの経済発展を支えながら美しいビーチを有する ブズニカ(Bouznika)、モハメディア(Mohammédia)に立ち寄るのもおすすめです。
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カサブランカ(Casablanca)
カサブランカは金融経済の中心地で、海外企業が進出しておりアジア出身の方に遭遇することが他の町よりも多いです。隊員達にとってはアジア系の飲食店や食材が恋しくなった時に訪れる場所でもあります。乗り継ぎなどメインとなる電車の駅は主に3つ【カサ・ポート駅(Casa Port)/ カサ・ボヤージュ駅(Casa Voyageurs)/ カサ・オアシス駅(Casa Oasis)】です。カサブランカもまた市内移動は 路面電車トラム もしくは流しで走る 赤いプチタクシー を利用するのが便利です。
カサブランカで決して見逃せないのは、前国王により年月をかけて建てられた最大級の ハッサン2世モスク(Hassan II Mosque)です。何度訪れても海沿いに佇む艶やかな姿が圧巻で、細部まで煌びやかに装飾された内部の見学ができることも感動します。イスラム教徒の方々がお祈りをするモスクは地域毎にありますが、基本的にモロッコではその神聖な場に異教徒が入ることは許されていません。
旧市街(メディナMedina)はカサブランカにもあり、商品のラインナップはさほど地方色はないものの町毎の雰囲気の違いを楽しむのは面白いかもしれません。中央市場(Marché central)では鮮魚をその場でもいただくことができるものの、かなり活気あるエリアなので心算をして踏み入れると良いかと思います。その他、電車の駅からは少し離れており、現在はそこまでトラムが走っていないためタクシーやバスでの移動が必要ですが、現地の方は商業施設モロッコモールでのお買い物を好むようです。
最近発見した穴場スポットは、シンディバド動物園(Parc Sindibad)で、モロッコに住んで刺激が欲しくなった隊員さんにおすすめです。動物園入場料はまさかの遊園地入場料に含まれており、チケットは乗れるアトラクションによって三種類あります。最低価格の大人75dh(約1200円)でも十分楽しめました。園内では、世界的に有名な商業施設の音楽が流れている若干の違和感の中で、安全装置がほぼセルフ装着で、なぜか2回ずつ乗車を勧められるアトラクションで少しスリリングな体験ができます。また、日本の動物園のように丁寧な案内表示がなく、歩きながら動物探しをするような感覚が面白いので、園内の端っこまでホワイトタイガーやライオンを見つけに行っていただきたいです!ここに行く場合は alsaが運営する市バス(Casa bus)の5番が便利で、5dh(約80円)で乗車でき、ハッサン2世モスクを経由してモロッコモールまで訪れることができます。(私の中では最高の観光バスでした!)
99%がイスラム教徒のモロッコで教会を見かけることは多くありませんが、カサブランカにある大聖堂(Église Notre-Dame-de-LourdesとÉglise du Sacré-Cœur)も美しい建物です。町を歩いていると目に入るたくさんのストリートアートも見どころです。モハメッド5世広場(Mohammed V Square)やメディナの近くには We Casablanca のモニュメントがあり、たまに色彩が変わっていることがありワクワクします。
続いては、いよいよエルジャディダに行ってみましょう!
ヤッラー!《 Let‘s go!》
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エルジャディダ(El Jadida)
カサブランカの主要な駅のどこからでもエルジャディダに向かうことができます。確実に座って移動したい方は始発のカサ・ポート駅を出発するのが良いかと思います。(なぜか空港区間とエルジャディダ区間は自由席です)
この地を訪れる際に知っておくとお得?な情報の一つとして、電車を降りると駅前では、目的地を告げながら乗客を待つタクシードライバーさん達の盛大なお迎えがあります。ただし注意していただきたいのは、ここの駅は終点かつ中心地から遠いということもあり、約一時間ごとに到着する電車に合わせてタクシーは集まってくるため、タクシー乗車の波に乗り遅れてしまうと、次のタクシーに出会えるまでトボトボ歩くことになります。(他の隊員はこれを入国審査と呼びます)
打開策としては、気合を入れて下車をするか、荷物が多い・疲れている時は知り合いのドライバーさんに連絡しておく、CTMバスがある都市からバスを利用する、以上です(笑)
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マザガンのポルトガル都市(Cité Portugaise)
さて、オフホワイトのプチタクシー を利用して市街地(Centre Ville)に移動します。エルジャディダ市内は一律10dh(約160円程度)で統一されています。モロッコでは円形交差点(Rond Point)にその町のシンボルが象られていることが多く、エルジャディダでは様々な馬もモチーフを見かけます。そして、ヤシの木が両側に並ぶ風景が続き、海に向かうその道は個人的に好きなフォトスポットです。
市内の中心部にある劇場(Théâtre Mohamed Afifi)では不定期ですが演奏や演劇が上演されており、夕方以降は建物前の広場からビーチ沿いの道が賑わいます。
16世紀初頭にポルトガル人によって建築された要塞都市マザガン(Mazagan)は海沿いに位置し、澄んだ青い空と城壁のコントラストは毎日のように見ていても心洗われるようで目にも美しいです。今も現地の方々の生活が続く場なので、カフェやお宿のテラスからは家事やお洗濯をする様子が伺えたり、子ども達がサッカーをしていたり、遺跡から海へ飛び込んだりする情景が溢れています。
マザガンのすぐ向かいには市場(Souk)が続き、午後になると生搾りジュースや雑穀のデザート、サンドイッチなどの屋台が並びます。店先では果物や野菜、調味料、日用品や衣類などほとんどのものがここで揃えられ、シーズン毎に見かけるものが変わっていくのも面白味があります。
エルジャディダも港町の一つなので、常に美味しい魚介類を手に入れることができます。特に私がよく寄り道する中央市場(Marché Central)には八百屋さん、酒屋さん、お肉屋さん、お花屋さん、小さな電気屋さんも入っており、まとめ買いにとても便利で、立ち寄りついでに牡蠣やサボテンの実をその場で食べて帰ることもあります。
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マル秘⁈アルコールに出会う場所
あれ?気がついてしまいましたか?ここはモロッコでもなかなかユニークな町で、中心地に何件も酒屋さんがあるのです。フランスのカルフール(Carrefour market)がモロッコにもありますが、エルジャディダの地下にあるお酒売り場はどの町よりも充実していると言っても過言ではありません。
そして、アルコールが飲めるレストランやBarも市内に多く見かけます。薄暗く昼間からおじ様達が集う場所を避けて安全にお酒を嗜めるおすすめのお店をこっそりご紹介します。
・Ali Baba:唯一サーバーのビールが飲めて、店内は落ち着いた雰囲気でお料理の種類も豊富。17時開店。
・Le Privé Lounge House:こじんまりした店内で気さくな店主さんがいろいろなワインを教えてくれて、お料理も美味しい。19時(日・月曜18時)開店。
・Art Suites:ホテルの1階にあるBarでまさかのハッピーアワーをしていることも。12時開店。
・Puccini:海沿いで2階席は静かに過ごせる。お隣のBarは少し客層が違うようなので入口間違えには注意。
・Belle Vue:大通り沿いで入口は少しわかりにくいですが高層階で景色が良い。19時開店。
好きなカフェ&海鮮レストラン
現地の方からはちょっと高級で観光客向け価格ですが、リピートしたくなるお店なので迷った時はこちらに行ってみてください。
・Mucho:ビーチ沿いにMcDonaldやKFCの近くにある魚介料理レストラン。景色も良くどのお料理も間違いないが、タコが入ったサラダがおすすめ。
・Chez Kiki:中央市場のすぐお向かいで現地の同僚もおすすめの一人前でも大盛りな魚介料理レストラン。お隣のイタリアンレストランLuigiもお料理が美味しい。
・Snack Alborj:ポルトガル遺跡のそばに並ぶ魚介料理レストラン。お隣はおそらくツアー客で混んでいる印象。
・Tchikito:市場の路地を入り少しわかりにくい立地だが、現地価格でお魚のフライが美味しい。
・Hôtel de La Place:ホテル最上階のカフェは市内を一望でき、PC作業をしながらゆったり過ごせる。少し高め設定でも朝食メニュー(フトール)がおすすめ。
・Riad Eucalyptus:ポルトガル遺跡内にあるカフェ。インテリアが可愛く、テラス席からの海の眺めが美しい。
=motto満喫プラン=
エルジャディダ市内から少し北東の町アズムール(Azemmour)に向かう途中に、ゴルフ場やカジノがあるちょっとしたリゾート地ハウジーア(El Haouzia)があります。市内より人が少なく浅すぎないビーチは比較的綺麗でゆったり過ごすことができます。(同僚や大家さんが海水浴や森林浴に連れ出してくれました)そして、モロッコでエルジャディダと言えば『馬の祭典』(Le Salon du Cheval d’El Jadida)が有名です。モハメッド6世展示会場(Parc d`Exposition Mohammed Ⅵ)で毎年盛大に行われており、今年も2024年10月1日〜6日までの一週間開催予定です。(なんと離任直後ですが、まーみん失きエルジャディダにも遊びに行らしてください笑)
反対に市内から南下していくとまたバカンスシーズンにリゾートビーチとして活気づく シディ・ブジ(Sidi Bouzid)があります。ビーチに沈む夕陽が綺麗にみられる町で、エルジャディダやハウジーアより海水温は冷たいですが深度があり、しっかり泳ぎたい方におすすめです。灯台(Le Phare de Sidi Bouafi)の麓にあるグランドタクシー乗り場から30分ほどで訪れることができます。海沿いに連なるコーヒーや牡蠣、スイカ・メロンなどの移動販売を眺めながらさらに南に行くとムーレイ・アブドラ(Moulay Abdellah)にたどり着きます。この地は何百年も続けて毎年8月に開催されてきたドゥーカラ族の年次のお祝い『騎馬祭』(Moussem Moulay Abdellah Amghar)別名Moussemの会場で、この宗教・文化・経済的イベントにモロッコ全土から50万人以上の騎手と観光客が訪れます。今年はまもなく2024年8月9日〜18日に予定されており、私の配属先である保健省の県支局は準備に追われているところです。この間は出演する騎馬隊は会場周辺のテントに期間中泊まり込むので、普段閑静な町の全く異なる姿も圧巻です。
その他、郊外に残っている昔ながらの石造りの住居や、ジョフ・ラスファ(Jorf Lasfer)という工場地帯の幻想的な夕方夜景を眺めながらのドライブも気分が上がります。さて、ユニークな任地エルジャディダとカサブランカの満載情報はいかがでしたか?
引き続きシリーズでご案内しますので、次回は まーみんと モロッコ南部の旅 を楽しみましょう!
ボン・ボヤージュ!٩( ᐛ )و(フランス語で「よい旅を!」)
※換算レートや町情報は2024年7月現在のデータであり、まーみんの主観 が含まれていることをご了承ください。
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