JICA海外協力隊の世界日記

カリブ海の小国・セントルシアでの防災活動日記

活動の振り返り② 活動成果

世界遺産の双子山 グロ・ピトン(798m)登山 背後はプチ・ピトン743m

職場への出勤最終日の投稿となります。次回の最終回は、帰国してから振り返ってみようと思います。

まず、運の良かった点と悪かった点があり、良かった点はJICAセントルシア事務所スタッフ・専門家の方々には本当に恵まれました。ここで感謝を申し上げます。悪かった点は、配属先の職員数があっという間に半分になったこと、仕事を共にする同僚がいなかったこと、上司の局長が2回交代し不在の期間まであったことです。タイミングが悪かったようです。202211月に大洪水が発生してしまったことは不運でしたが、災害対応を実際に見られたことで課題が見つかったことと、私が作った洪水ハザードマップは使用しても問題ない精度があると分かった点で良かったです。AIの目覚ましい発展もありました(特に20238-9月)。膨大な量の単純作業を肩代わりしてくれたので、諦めかけていた津波と火山災害のハザードマップを完成させることができました。AIを利用すれば、隊員の活動も大きく変わるのではないでしょうか。

2022年11月の大洪水の話へのリンク

https://world-diary.jica.go.jp/otayuzo/cat2786/2022116.php

ハザードマップの話へのリンク

https://world-diary.jica.go.jp/otayuzo/cat2786/post_20.php

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首都カストリーズ・シティにお別れ

成果物として、無料の技術・サービスのみでハザードマップをオンライン化し、公開することまでできた点は満足しています。これを使って学校安全プロジェクトも大きく前進しました。「これこそGame Changer(大変革)で、私が欲しかったものだ!」と教育省の担当官に大変喜ばれ、嬉しかったです。災害の記録もまとまりました。データを統計的に整理・分析したことで、リスクの大きさが感覚的に分かるようになり、今後の指針を示すことができました。

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退職した元同僚へお別れの挨拶

ドローンによるマッピング等の最新技術のために必要な環境を提案してきたことで、IT環境整備も進みました。1年後には整っているでしょう。この状態から赴任できたとすれば、やりたかった活動(特に学生などの若い人に教える活動)ができたと残念に思いますが、こればかりは仕方がありません。最後に、配属先や後任隊員に私の成果が引き継がれ、セントルシアの更なる防災対策の推進につながっていくことを願っています。

【成果】

・セントルシアにおける災害の基礎資料整理

GISデータセットの集約

・いつでも・どこでも・誰にでも閲覧可能なオンライン・ハザードマップ(洪水・津波・地すべり・火山災害)

・学校安全プロジェクト(ハザードマップより各学区・学校のリスク・優先度を分析)

・災害発生後の被害調査を自動でリアルタイム集計・図表化・地図化するダッシュボードを完成

・最新テクノロジーを使うための環境構築

・防災の専門家として講演など多数

・カリブ最大の防災会議(CDM12)において、カリブ全体で取り組むべき課題を提案

https://world-diary.jica.go.jp/otayuzo/cat2786/cdm12.php

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