2025/09/11 Thu
活動
環境教育/コロンビア日記6(2年目途中までの活動紹介-3)


こんにちは。
コロンビア共和国に環境教育の隊員として派遣中の、三井貴博です。
派遣開始から1年7か月が経過した8月に行ってきた、活動内容について今回はご紹介します。
1. 活動の大まかな流れ(2年目)
(1) 2025年2月~6月
過去の日記を参照
(2) 7月
前回の日記を参照
(3) 8月
配属先の学校にある2つのキャンパス(普段の活動拠点をキャンパスA、活動拠点ではない方をキャンパスBと示します)の内、キャンパスBにおける4巡目の授業(初等教育課程の3~5年生、全18学級)
2. 8月に行った活動の細かな内容
(1) 配属先でのやりとり
キャンパスAでは、そば栽培を通した緑化の推進にこれまで生徒たちが取り組んできました。
その過程で、そばの花の美しさや、そばで様々な教育(環境教育や食育等)ができることを初めて知った教職員の同僚が多くいました。
この活動の評判は教職員の口コミを通じて広がり、キャンパスBでも「鉢を使ってそばを栽培したい!」という声が上がるようになりました。
しかしながら、キャンパスBには広い土地や畑が無く、土も鉢もありません。
それに対して児童は約600人(全18学級)なので、鉢を新たに買うとなると多くの費用がかかります。
そこで鉢を活用したそば栽培が、児童の協調性や環境への関心を育むことについて、必要な費用や具体的なスケジュールと併せて学校長へ説明しました。
その内容は理解され、そばの種まきに向けて108個(6個/学級×18学級)の鉢を買っていただくことになりました。
土はキャンパスAの土地から約500 kgを集めて、キャンパスBまで運ぶことになりました。
(2) 土集め
最初はキャンパスAの敷地内にある土のみを集めていましたが、同僚の提案で近くの山にも土を集めに行きました。
力持ちの生徒も4人来てくれて、協力して土集めと土運びを進めていきました(写真1、2)。
(3) 鉢の設置
「より美しく見えるように」という学校長の強い要望で、壁に鉢を吊り下げることになりました。
吊り下げることのできる場所は限られているので、1学級ごとに6個ある鉢の内、2個は壁に吊り下げて、他の4個はそれぞれの教室周辺に置くことになりました(写真3、4)。
(4) 実習の実施
初めに、そばに関する復習を行いました。
白い花が咲くことや、種子は加工して食べられること等、2月の授業で教えたことをしっかり覚えてくれている児童も多くいました。
その後、種まきや水やりの方法を説明しました。
「今日は班ごとにそばの種まきをします」と伝えた途端、児童たちが歓声を上げて喜びを表現していた様子が印象的でした。
種まきをするのは初めてという児童も多くいました。
みんな目を輝かせながら、楽しそうに実習に取り組んでいる様子も、とても印象的でした(写真5、6)。
3. 実習後の様子
種まきをしてから、児童たちは定期的に水やりをしたり、生長の様子を観察したりしていました(写真7、8)。
「芽がたくさん出たよ!」「生長が速い!」等と嬉しそうに報告してくれるのは、活動の励みになりました。
休み時間になると教職員も鉢を見て回り、児童に水やりの指導をしていることもありました。
そばで緑化を推進することに限らず、児童と教職員のコミュニケーションが増えたことも、この活動がもたらした大きな収穫かもしれません。
一方で、水をやりすぎてしまったり、日当たりの悪い所に鉢を置いてしまったりした班では、芽が出ないことや均等に育たないこともありました。
しかしそうした失敗から、なぜうまくいかなかったのかを児童たちと一緒に考える機会もできました。
植物を育てることの難しさや、自然環境の大切さを教えることに繋がったので、これも児童にとっては貴重な経験になったのではないかと思います。
次回は、配属先の学校における教育環境について、具体的な情報と併せてご紹介できればと思います。
過去の記事
環境教育/コロンビア日記1(任地紹介)
環境教育/コロンビア日記2(1年目の活動紹介)
環境教育/コロンビア日記3(任地の人々との交流)
環境教育/コロンビア日記4(2年目途中までの活動紹介)
環境教育/コロンビア日記5(2年目途中までの活動紹介-2)
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